星間共通歴833年12月17日 記述者:ミハイル・クルゲローゼル
何たることだろう…
また私はやってしまったに違いない。
朝起きたら、頭が割れる様に痛く、昨夜の記憶がさっぱりなかった。
いや、途中まではあるのだ。
ただ、あの音の中に入ってしまった後の記憶がどうにもあいまいなのだ…
というのも、私には実は、「同じ阿呆なら踊らなきゃ損々」病(ドクター命名)があるらしく、ああいった大音響の少人数編成の楽団の音楽に接してしまうと、理性が切れてしまうらしい。
だから普段は、なるべくそういう音楽から遠ざかっていたのだが…
し、しかし、何せすぐ近くだったのだ。
あの低い振動が足に伝わってきた瞬間、私の肩はつい動きだし、指先を動かしてしまっていたのかもしれない。
そう、「しれない」だ。私は知らなかった。
しかし王子から指摘を受けてしまったら、もう止まらない。王子は私に「行ってもいいよ」とあの優しい笑みを向けてくだすった。
そこで走り出してしまった私は、やはりまだ修行が足りないと言えよう…
ちなみにその少人数音楽隊は、本日彼らが連れ出されたステーションへと返された模様である。
私は頭痛のために昼まで寝込んでいたので、伝え聞くばかりだが、軽い昼食をとっていた時の王子の顔が非常に生き生きとしてらしたので、きっと何かまた追撃をこれでもかとばかりにかわされたのだろう…
艦橋で頭痛に苦しむ私にドクターは優しく薬をすすめてくれた。ああやはり、彼女はこの船の潤いだ。安らぎだ。
ナヴィが例の「ぽわぽわ」の名前が決まらない、と王子と私にも考えてほしい、と言ってくる。
王子は少し悩まれた末、「ぽわんぽんでどう?」とおっしゃった。
ぽわんぽん。ぽわんぽん。ぽわんぽん。私は三秒悩んだ末、「良いお名前ですね」と言った。
しかしその名前を後でボマーに言ったら、「何だそれーっ」と笑われた。失礼な奴だ。
明日はプロフェッサーです。よろしくお願いします。
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