星間共通歴833年12月16日 記述者:ヨハン・フリードリヒ・クルゼン
本日はぼくが日誌を担当させていただきます。
今日で、この星域に停泊して四日目というところです。
案外長いな、と感じていたのですが、どうやらそれは、隊長達の計画のためだった様です。
三人は先日、ある音楽集団の演奏会に行っていたそうなのですが、昨夜戻ってきた彼らは何と、その音楽集団を連れて来てしまったのです。隊長らしいですね。
でもどうやら、永遠に自分のものにしたい、ということではないようです。隊長はこう言いました。
「だっていくら好きだってあきるじゃん」
そういうものですか、とぼくが答えると、「当然だ」とのこと。
なので、一日だけ自分達のために演奏してくれればいい、ということらしいです。
そこで隊長から、この船の中にそういう場所はないか、と聞かれましたので、ホログラム・ルームで以前は演奏会を何度か開いたことをお話しました。
それはいい、と隊長はフランさんとボマーさん、それに船長やアリさんまで総動員して準備をしてしまいました。
船長は「仕方ないですねえ」とにこにこしてましたが、アリさんは首をひねってました。
しかし彼が一番働いていたと思います。アンプリファイアというのは、どうしてああも重いのでしょうね。
そして夕方から夜にかけて、ホログラムルームは大騒ぎとなりました。
ぼくはあまりあの類の音楽は好きではないので、艦橋に居ましたが、みっちゃんがうずうずしていたので、行ってらっしゃい、と送り出してあげました。
ドクターは大音響はあまり好きではない様でしたので、ぼく達はのんびりと宇宙の様子を見ながらお茶をしてました。フレーバーティに彼女は詳しいです。
だけどずっとそればかりでも何でしたので、定期ニュースをつけてみましたら、「人気バンド***、誘拐される!」と大騒ぎになってました。
さてどうするつもりでしょうね。
明日はみっちゃんです。
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