部活動を決める
「今日も昨日と同じく午前中で授業が終わるけれど午後に部活の説明会あるから帰れないし。最悪だわ。」
「まあ僕達だっていずれ入ることになるんだし。」
「帰宅部でよくないか?」
「華の高校生と言ったら部活でしょ。何もしないで帰るのは後悔しそう。」
「いやまあそうなんだけどさ。ただ毎日辛くないか?」
「うちは進学校じゃないし大体の生徒は推薦か留学するんだからそこまでだろ。部活やってもいいんじゃないか?ただ俺は学外でクラブに入ってるから部活入るかわからないけどな。」
「なる。でもどうしよ……。」
「話聞いてみてから考えれば?」
「それもそうか。」
わが校にはよく学園もののアニメにあるような部活動勧誘で校門がいっぱいになるということはなく、放課後に各部活がそれぞれ自分の部活をプレゼンする場を与えられ、新入生はそれを見て部活を決める。仮入部期間が二週間ありその間はいつ辞めても構わない。部活に強制参加ということを除けばうちの学校のルールは比較的緩いみたいだ。
昨日と変わらず自己紹介と授業方針だけで終わった授業の後、昼食を食べながら僕達は話していた。
開始時刻になり僕達は講堂に向かった。周りは同級生で埋め尽くされていた。全員男子なのでむさ苦しい空気が講堂内を充満していて少しだけこの学校に入ったことを後悔した。
始めは運動系の部活のプレゼンだった。かといって僕は入るつもりもない。そもそも運動ができるわけではないのだ。途中で聞くのに疲れ、隣をのぞいてみると原口君は興味深そうに話を聞いていた。藤浪君はラグビー部のところだけは熱意をもった目で見ていた。桧山くんは—寝ていました。
運動系の部活が一通り終わると次は文化系の部活のプレゼンに入った。僕は入るならこちら寄りの部活だと思ったのでしっかり話を聞いていた。他の三人は相変わらずだった。
説明会が終わり、仮入部期間が始まった。一緒に帰る約束をして僕達は分かれた。原口君はテニス部に、桧山くんは全然話を聞いていなかったので中学時代に入っていたサッカー部に向かった。藤浪君はラグビー部に見学に行ったようだ。どうやら習い事の方は土日だけ出席するようだ。こんな芸当ができるのもうちの学校の特徴で、週回平日は7時、土日は5時までという厳しい校則があるおかげだという。
さて、部活、始めちゃいますか。
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