雨の日の朝

 雨粒が激しく窓を叩く音で、目を覚ます。

 そういえば、昨日の夜に見たニュースで、今日は一日雨降り、一部地域は洪水に気を付けてくださいとか言ってたけど、まさかここが、その一部地域だったりするんだろうか。

 起き抜けのぼやけた頭でそんなことを考えていると、すぐ隣で眠っていた彼女が起きたらしい。

 雨すごいね、と寝惚けてるのが一発で分かる声でそう声を掛けてきた。

 雨漏りが心配だ、とだけ答えておいた。


 二人して布団から出て、身支度を整え、昨日買っておいたクロワッサンを温めた牛乳と一緒に食べる。

 今日はどうしようかと彼女が訊いてくる。二人とも、外に出る用事はない。

 今日はどうせ雨降りだし、一日家でゆっくりしようと彼女に言った。

 この前放送してた映画、録画しておいたからそれを観てもいいし、前に買ったジグソーパズルやったりとか、積みっぱなしの本を読んだりとか、好きにしようって。

 それならお昼寝もしたいし、このままもう少し、温かい牛乳片手にお喋りもしたいと言う彼女。

 ゆっくり決めよう、僕は言った。

 一日は始まったばかりだ。

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