ちかちゃんも、タカシくんが好き。



 若野居くん。


その名前を聞くと。


ほおが熱くなる。


だって、三日前。


猪木彫さんから、若野居くんが好きだと言われた時。


私も、若野居くんが、好きだったって。


気づいたから。


若野居は、マンションが同じで。


ママ同士が、マンションの子供会の役員で。


その集まりのついでに、なんどか学校以外でも会うし。


ママたちがおしゃべりしている間、何度も、若野居くんと2人で遊んだ事だってある。


 五年生の時は、おこずかいを貰ってポテトも食べたし。若野居くんの弟も一緒だったけど。


 二人で、会ってる事は、内緒にしといてね!!。


私は強く、若野居くんに言った。4年生の時だった。


何かと、こいつら両想いだー!付き合ってるんだ!と騒ぎ立てる人たちが、四年生になってから、ちらほらクラスに出てきたからだ。


だから、約束ね!と言ったら、若野居くんは、え?なんで?と言ったあと、察したのか、頷いた。


そうやって、つるしあげられ面倒な事になった男子と女子を何人も見てきた。


なのに。


猪木彫さんが、若野居くんを好きだと言われた時。


なんだか。私の胸は、もやもやしたような・・・ざわざわしたような気持ちになった。


もし。


若野居くんも、そうだったら。


猪木彫さんと、若野居くんが同じ気持ちだったら。


若野居くんと、もう会えなくなる。


そこまで考えて。


そして、気が付いた。


私は、たぶん、たぶんじゃなくて、私も。


若野居くんが好きなのだ。


「告白するの?。」


聞いた時、猪木彫ちゃんに、聞いたのはそこだった。


「しない・・・。」


猪木彫ちゃんはそう言った。


だよねー!そういって、ばれないように、ごまかした。


猪木彫さんと、若野居くんを、両想いにする!。


そう、みきちゃんと計画しているのに。


最近、みきちゃんと話していると、とても辛い・・・。


みきちゃんと、猪木彫さんに隠している気持ちも。


若野居くんの恋も。



こんな気持ち、ぜったいに、誰にも言えない。



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