第2話

 「相変わらず誰もいないな」

そんなことを俺は小声で呟きながら

  図書室に入った。

  この玖珂崎高校図書室はほとんどの生徒

  が来ないのにも関わらず、無駄に設備が

  しっかりしている。

  入るとどこを見ても本、本、本なのだ。

  しかも勉強専用スペースもあるので

  テスト勉強をするときや暇潰しによく

  お世話になったものだ。 

  俺はいつもの自分のスペースに座りつつ

  ある疑問を抱く。

  (あれ?あんな女子いたっけ?)

俺は窓際の席に座りつつ勉強専用の

  スペースを見てみると

  一人の女子がいた。

  俺は去年からほとんど欠かさず毎日

  図書室に来ていたのでどの時期にどの

  ような生徒が来るかは漠然と把握してい

  たが今日は初めて見る生徒がいる。

  髪は腰辺りまであり前髪が長くおまけに

  目が悪いのか眼鏡をかけている。 

  始業式早々真面目だなと思いつつ、

  読書に戻る。

  が何故かその女子生徒のことが気になり

  本に集中出来ない。

  ここは腐ってもハイパーぼっち。

  話しかけられるはずもなく俺は

  始業式が始まるギリギリまで本を読み

  時間を潰すのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る