第3話 6年後

ダンジョン最終層であり最凶の敵ブラックドラゴン。これを倒した双子の勇者。片方は黒髪にエメラルドのような緑の瞳を持つ少女、もう片方は少女と同じ黒髪にガーネットのような真っ赤な瞳を持つ少年。後に

「双子の吸血鬼」《ヴァンパイアツインズ》と呼ばれる。身軽に体を動かし返り血を受けながらも笑っている二人。後ろ姿から強さがよく分かり冒険者の間ではまるで吸血鬼と呼ばれていた。少年は少女を守り少女は少年を守る。歴代最強で最年少で最速の勇者。

なーんて言われてる私たちですが!全くもってそんなつもりありません…てかヴァンパイアって…もぉ嫌だぁ…私たちは最終層に行きブラックドラゴンを倒した。有名になるのを覚悟で。まぁその後はスミス家に戻り学園の準備…十五歳から十八歳までの貴族の子息、子女が通う学園へ!二年だけだけどカル様と通える幸せ〜あぁ最高!ビバ学園!

「カル様〜!」

私は真っ直ぐに彼の元に向かうと

「久しぶりだな、カリーナ。」

と微笑みながら返してくれる彼。本当に優しい人…ちなみに弟のカールは…

「ギル、これからよろしくお願い致します」

「あぁ、よろしく頼む勇者殿。」

ギルバード様の護衛になりました…そっちの方が監視がしやすいだろ?と言われて…

「我が身はあなたと共に、我が命はあなたの為に。ギルバード・ブルー王太子殿下」

何て言ってたんだよなぁ…ふふ我が弟ながらイケメンでした。

「お姉様?」

「あっ、ごめんなさいね。カルヴィン様、お願いがございます。」

「なんですか?」

「あなたの護衛にならせてください!」

『は?』

私たち二人は学園で習う教育はもう飽き飽きする程なので大体は自由にしていいと言われている。そこで兄はギルバード様の護衛になったんだけど…私は、カルヴィン様の護衛になりたい!そう思ったのに…

「バカ、姉様!何でそうなるんだよ!?別に飛び級すりゃいいだけだろうが!」

「えぇ…だってずっと傍にはいられないじゃん…」

シュンとしたように下を向くと

「カリーナ」

「なんですか、カルヴィン様!」

「君にはやることがあるでしよう?それをまずはやってきな。」

「うぅ…カルヴィン様まで酷いですよぉ…」

私はこれからヴィオレッタ・サムエル様の護衛に決まった…あぁ面倒臭い!ヴィオ様のことは大好きだけど!私はカル様が良かったぁぁ…

「カリーナは本当にカルヴィン様がだいすきね。」

「うっ…//」

「ふふ、そういう反応羨ましいわ…」

「別に両思いってわけじゃないですもん…」

「ふふさっさっと告白すればいいのに。」

「無、無理ですよ!//」

いくら私の好意がばれていたとしても告白する気はないのだ。彼には幸せになって欲しい。私なんかに縛られないで欲しい。

「カル?」

「しょ、しょうがないだろう?彼女は1ヶ月前に戻ってきたばかりだぞ!?//」

「お姉様がなんでこんなにも最速にこだわってるか分かっていないやつはこうしてやるーー!」

「お、おい!先輩の首を絞めるな!」

「カール、一回落ち着け。カルもカルだがな…」

「ふ、2人して酷いな…」

「最悪俺が彼女を貰う。嫁ぎ先に困ることはないんだ。ずっとヘタレてたら俺が貰うからな?」

「マジでひでぇ…」

そんな会話が男子組の方でされてるとは知らずに私はヴィオ様にからかわれまくっていた…

〜お昼休み〜

「カル様〜お昼ご飯作ってきたので食べてくれませんか?」

「済まない…俺は自分で作ってるんだ。」

「料理も得意なんですかっ!?凄いです!」

「獣人は基本的にそうじゃないのか?食堂に獣人は入れないんからな」

「は?」

私がどす黒い声を出したのは注意しないで欲しい。わたしは獣人が大好きなのだ。同じクラスにいる猫の獣人の子もものすごく可愛かったなぁ…ってその事じゃなく

「そういうルールなんだよ、獣人は獣臭いって」

「ふふ、わたくし少し学園長室へ行ってまいりますね。そして、クラスにも」

獣人の子は学食を楽しみにしていたのだ…それを踏みにじるとは…ふふそれ相応の報いを受けさせる…

「な、なぁ言ったらやばかったか?」

「いやあとから気づいただろうからまぁいいんじゃないか?最悪学園長潰されるが…」

「や、やばいですわ…」

酷いことをいう人たちだ。ただ交渉をしに行くだけなんだけどなぁ。まずは教室かな…そのあとに学園長室にいきぃの…ほんとにこの世界はまーーだ獣人への差別が残っているのだ。私が獣人好きは国中に広まっている。そうだというのに残っているということは私に殺される覚悟があるということ。ふふふ…

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双子の転生日記 優羽 @hiroha0815

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