第20話
シュトュルは結局、この気持ちが何なのかわからないまま、レイディエ殿下とのデート当日がやって来た。
「シュトュル様、まるで向日葵の妖精の様ですよ!」
着替えが済み、メイドがシュトュルを鏡の前に立たす。銀髪はスッキリとまとめ、空色の宝石を使ったシンプルなアクセサリーがアクセントになっていた。
(シュトー、よく似合ってるわよ)
レヴィアタンも満足そうな声だった。
「ありがとう」
シュトュルはメイドとレヴィアタンの二人に感謝の言葉を伝える。
シュトュルは目を閉じ、ゆっくりと深呼吸をする。
(とにかく、レイディエ殿下に感謝の言葉を伝えて…今日を楽しまなくっちゃ)
そっと目を開く。窓から溢れる太陽の光が眩しかった。
「シュトュル様、レイディエ殿下がお迎えにいらっしゃいましたよ」
部屋でそわそわと待っていたシュトュルの元へメイドが呼びにやって来る。
シュトュルは急いで玄関に向かう。
そこには、いつもよりラフな格好をしたレイディエ殿下が立っていた。
過去に何度か見たことがあるはずなのに、心臓がドクドクと早く鳴る。
「お、お待たせしました、レイディエ殿下…」
「いや、大丈夫だよ。今日はよろしくね」
そう言ってレイディエ殿下が手を差し出す。
シュトュルはちょっとぎこちなく、レイディエ殿下の手を取った。
「今日のシュトュルは、まるで、大輪の向日葵のようだね。すごく綺麗だ」
メイドにも同じ様な事を言われたが、レイディエ殿下に言われるのとは全然違う。シュトュルは頬が熱くなるのを感じた。
「あ、ありがとうございますっ…あ、あの、今日はお誘いありがとうございます」
「ふふ、こちらこそ、お誘いを受けてくれありがとう。それじゃあ、行こうか」
シュトュルはレイディエ殿下にエスコートされ、歩き出した。
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