第二十三話 王都到着
これからミレイグレイ組とシャニの修行組と二組が別れ、物語が分岐して行きます。
それに伴い、幕間としてシャニ主導の修行とそのゴタゴタとなるストーリー、本編はミレイグレイ組の王都冒険者としてのストーリーとなる予定です。
本当の理由としては、小説投稿スピードの超不定期&遅い自分の小説では、内容を思い出しながら書くので、一緒に進行するとなると自分の頭のキャパを越してしまうのでマンネリ化しないようにこんな結果になりました。すみません
では本編どうぞ
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街を出発してはや四日目、野宿と馬車と慣れない旅路であるが、まず舗装された道であることとギルドからの誘致であるため、自分たちが苦労することもあまりなく、久しぶりの青空のもとピクニック気分で道中を進んでいた。
「健斗ー、今どこだー」
「今ちょっと待ってくれ、ギルドの招待証がバックの中で隠れてんだ。本当にどこ行ったよ」
「早めに頼むぞ、そろそろ到着するからスムーズに...やっぱ無理だ」
馬車後方の天幕をあげ身体を外に出す、すると間も無く旅で聞き慣れた嗚咽が聞こえてきた、よくある乗り物酔いである。
「無理するなよ、すぐ申請出しに行くんだからせめて体調ぐらいは落ち着かせておけよな」
「わかってるって。まったく乗り物強い勢はいいよな、この吐き気が襲ってくるのと縁がないんだからさ」
「まあそこは体の構造が違うってことで。体が変わっても完璧な人間はないって女神の言葉じゃない?」
「そういうお前の体の悪いところは見つからねえもんな、はあ...それぐらい融通聞かせてもらってもいいだろうに」
「普段から善徳積んでおけ、そうしたらいつか報われるだろうし」
「何その坊さんみたいな発言。まあ結構この世界に来てから役に立ってるはずなんだけどなぁ、
自分で言うのもなんだけどよ。まあいいや、その善を積んだとしてもダイスの女神に嫌われた男が言うんだから、そうなるんだろうな」
「おい、どういうことやそれ」
「本家登場したわ、まあこれから頑張ろうぜ、最終目的はこの世界の平和なんだからよ」
「なんかすごいうざいけど、そうだな目的はお前の言う通りだよ。なんか辛気臭くなったけどさ久しぶりに体動かそうぜ、さすがに4日連続馬車上で会話だけっていうのもあれだし、
しかも王都着いて、パーティメンバー追加してからすぐにダンジョン向かうんだろ?それまで鈍ってるって絶対やったらダメだろうからさ」
「確かにメンバー足りないよな、五人ぐらいが丁度いいか、多すぎてもあれだしさ」
「細かい事は着いてからするか、今どんだけ話しても制限とかがあったときに困る」
「分かった」
馬車の後方に積められた食糧などの箱から装備が梱包されたものを探し出し、刀を取り出した後、布切れを濡らし拭き始めた。
夜を迎えようとする時刻になり、道端に止めてもらう。
武具を装着し、駆け足で星空を照らす中右側に広がる平原の小さい丘を超えた後、気を背に寝ている兎のカップルにこっそり近づき生け捕りにした後、食料としてではなく魔物をおびき寄せる餌として弱火でわざと煙を出すように焼いていると、思惑通り夜行性の獲物を狙っている凶暴性の増した動物が集まってきて、たまにその動物達を狩りにきた魔物などが姿を表し、それを順序よく各個撃破して行った。
その体の訛りを改善するために行った二人だが、そのまま帰って来たときに結果を伝えるため、中でも一番大きい魔物であった
「見えました。お二人さんもうすぐ王都に到着しますよ」
目を覚ましてまもなく御者の言葉に目を擦りながら先頭の幕をめくると、二人の目に
遠目からでも分かる城壁と、それを優にこえる王城、そして建物群の先端がチラッと姿を見せる。
「おぉ、さっすが王都、建物の規模がちげえ」
「そうだな、ていうかやばいだろあの城壁、優に百メートルは超えてるだろ、どうやって建築するんだよ」
そういうと、御者の方が隣に置いてあるバックから巻物を取り出し手渡してきた。
「言語解読...ミレイ、グレイ、それぞれ30、70...ロール56、63、ミレイ失敗、グレイ成功」
一目通してみると内容は簡単な歴史が載っているものであった。
「王城の方は基盤を何重も組み合わせながら作られていて、あの建物群は昔、王都が完成するまえに周辺に生えていた大木を軸にして建築されたそうです。当時からだと三百年前からあったという事になりますね」
「歴史的建造物か...やっぱどこでもすごい建築士って存在するんだな」
「ええ、普段は観光地として一般公開されているので王城もついでに寄ってみてはどうですか?お勧めしますよ」
少し思案した後、顔を上げる。
「まじかよ内部が見れるって...ミレイどうする、明日寄ってみるか?」
「そうだな。今日は宿を探すだけで終わるだろ、その後に行くか」
「オッケー、じゃあそういう事で」
「ではこの割引券を使ってください、私ももう一度行ってみたかったのですが、生憎また仕事が入ってですね」
そう言ってまた一つバックから二枚の紙切れを取り出しグレイに手渡した。
それを自分用のものに詰めている間に、王都の門の関所の並ぶ列にたどり着き、三十分後王都に
冒険者パーティーがまた一つ増えた。
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