第3話 ガマ介が・・・
慎之介が、幻の湖底手裏剣を発見して、超能力が使えるようになったという噂は、あっという間に広まった。
ガマガエルのガマ介に注目が集まった。
ガマ介が、ガマガエルとしては異常に大きいこと。
龍神池は、水深100メートルを越える。
ガマガエルが湖底から咥えて現れたというのも疑問。
だいたい、ガマ介は本当にガマガエルなのかということまで疑い始めた。
実のところ、ガマ介は、ガマガエルではなく、龍神の化身。
龍なので、水深100メートルなど、朝飯前。
空も飛べる。
しかし、この世ではまだ、龍に戻ったことはない。
というより、主の慎之介が、まだまだ幼少のため、ガマガエルの姿で間に合う。
ガマ介も、慎之介の成長を心持ちにしている。
慎之介は、相も変わらず屈託のない笑顔でやんちゃ盛りで遊び回っている。
しかし、慎之介と歳三と雅が学園の杉林で追いかけっこをしている時に異変というより、慎之介が異様な行動に出た。
高さ数十メートルの杉の木立を、木から木へと飛び移り出したのだ。
横で見ていた六角佐善教授が、腰を抜かした。
『慎之介の奴・・・
また進化しょったな。
あれは、紛れもない。
猿飛の術。』
霧隠才蔵と並び賞される日本忍者史上最強の忍者の1人。
猿飛佐助の得意技である。
それを、まだ7歳になったばかりの慎之介が使ったのである。
六角佐善教授、またまたあわてて戸澤白雲斎に報告する羽目になった。
『六角先生は・・・
よくよくそういうタイミン
グに出くわされますなぁ。』
校長の戸澤白雲斎は、楽しくて仕方がない。
六角佐善教授、何かと慎之介達を気にかけている。
白雲斎に次ぐ。慎之介達の理解者になっている。
慎之介が、霧隠才蔵の再来である確率が、いよいよ高くなってきた。
それから1年後。
2年生になった慎之介達3人は、変わらずドタバタしている。
慎之介達は、夏休みを利用して、京都の街に帰省していた。
京都の街は、祇園祭一色で、毎日猛暑にも関わらず、大変な賑わい。
そんな中、戸澤白雲斎が一足先に、龍門館に帰ることになった。
白雲斎の側近10人ほどと慎之介達3人で、四条大橋にさしかかった時、一筋の黒い風が白雲斎に襲いかかった。
ところが、一筋の光が黒い風を遮った。
黒い風、山伏姿で対向車線のアーケードの上に逃げた。
『出羽羽黒山の鴉天狗殿で
すな。』
なぜか言い当てた慎之介。
もちろん知り合いなどであるはずもない。
『作用でござる。
そういう貴殿は。』
慎之介、さすがにまだ有名ではない。
『服部半蔵の嫡男。
慎之介と申します。』
『なるほど、伊賀の若君で。』
鴉天狗、自身の技を、年端もいかぬ小僧に止められたことが不思議でならない。
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