魔装図鑑
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発現者――ノイル・アーレンス(ミリス・アルバルマ)
ノイルが自身の魂からミリスの力を借りて発現させた魔装であり、最強の魔装。
純白の全身鎧に紅玉の剣を携えており、基本的には制限時間でのみ解除される。本人はミリスを纏うと表現しているが実際はほぼ一体化しており、二人が鎧に変化していると言ったほうが近い。そのため鎧を脱ぐ事や一部だけの発現は不可。主導権もノイルだけにあるわけではなく、ミリス主体で動く事も可能である。基本的には意識をシンクロさせる事で二人で力を奮っている。強い信頼関係あってこその魔装。
その性能は凄まじく、自己治癒能力を持つ純白の鎧だけでも圧倒的な力を誇るが、真に驚異であるのは紅玉の剣。この剣は敵のマナを問答無用で断つことが可能であるため、マナを持つ者であればこの魔装の敵にはなり得ない。
また、《
しかしこの規格外の魔装の力を奮えば奮うほど、魔装が解除されると同時にノイルは深く長い眠りにつくことになる。最長記録は10日にも及んだ。そして、その際は一切身体の疲労が癒えることはない。
色々と規格外であり、やはり最強の魔装である。
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発現者――ノイル・アーレンス
ノイルが唯一自身の力のみで発現させた純白の釣り竿の魔装。
しかしその能力はミリスを自身の元に導く、ただそれだけである。発動と共に何処にいようがミリスに糸の先が繋がり、リールを巻く事で呼び寄せる。例え精神世界であろうと、この魔装があればミリスとノイルは出会う事ができる。
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発現者――ノイル・アーレンス(ミゼリオ・アルバルマ、フィリス・アルバルマ)
ノイルがかつての大英雄であり、ミリスの両親であるミゼリオとフィリスの力を借りて発現させた魔装。
これを発動すると純白の髪に紅玉の瞳、そして純白の右腕を持つ姿へとノイルの容姿が変化する。
ミゼリオの癒やしの力と魔眼、フィリスの『アステル』を封じるための力を持っており、ノイルにより更に高められたそれらは、規格外としか言いようがない程の性能を誇る。
その力は紅玉の剣無しならば、最強の魔装である《白の王》を上回る。
《癒し手》
発現者――ノイル・アーレンス(癒し手)
ノイルが『六重奏』の内の一人、癒し手の力を借りて発現させる金の指輪の魔装。
発動すれば自身のマナを限界まで使い切る代わりに、その回復力と速度は卓越した魔人族を遥かに上回る。
妹の傷を治したいという想いから生まれたため、他者にのみ作用し自己治癒は不可。使用すればほぼ確実に意識を失うため使い勝手はあまりよくなく、それは傷の大小と関係しない。
ノイルの中でも使用頻度の少ない魔装だが、本人も癒し手もその事に満足している。
癒し手だけがノイルに宿っている場合は、その力を更に引き出し、金の指輪に青の宝石が嵌った《
回復力と速度は維持したまま少量のマナでも治癒を行えるようになり、殆どデメリットはなくなるが、相変わらず自己治癒のみは不可。何処までも他者への慈しみに満ちた魔装である。
《守護者》
発現者――ノイル・アーレンス(守護者)
ノイルが『六重奏』の内の一人、守護者の力を借りて発現させる盾の魔装。
半透明の灰色の盾が十枚発現し、その身を守る。
十枚の盾は浮遊しておりそれぞれを自由に動かす事ができ、組み合わせる事で形状を変化させ様々な状況に対応可能。
しかし、一枚でも盾を自在に操作する事は難しく、全てをバラバラに動かすのは数ある魔装の中でも屈指の難易度。
また妹を守りたいという願いから発現したため、盾は一切攻撃に使用する事はできない。
更に発動中は本人は一歩も動く事ができないなど、使いこなせば非常に有用であるが、実はデメリットの目白押しのような魔装。
ノイルのように自在に操作するには、普通の者であればかなりの訓練が必要となる。
魔法等の攻撃に対して高い耐性を持っているため、破るのであれば物理的な攻撃手段が有効である。
守護者だけがノイルに宿っている場合は、その力を更に引き出し、紋章のついた盾を出現させる《
動く事のできないというデメリットは変わらないが、盾の硬度は比較にならない程に高まり、最硬の魔装と化す。その守りは決して揺らぐ事はない。
《魔法士》
発現者――ノイル・アーレンス(魔法士)
ノイルが『六重奏』の内の一人、魔法士の力を借りて発現させる小瓶の魔装。
少々風変わりな魔装であり、小瓶の中には発現させる際に想像した任意の魔法が詰まっている。
この魔法を閉じ込めた小瓶を、ノイルは
一日に一度限りだけ発動可能であるこの魔装は、マナをどれだけ込めたかによって威力が変化し、恐ろしい事に上限が存在しない。
もしも使用者がマナを無限に保有していたのであれば、大陸どころか世界を破壊できる。
また込めたマナに対して破格の威力を誇っており、マナ量の少なくなっていたノイルでも異常な火力を出す事が可能であった。
元は釣り堀のための破壊をノイルが求めた事と、魔法士の強過ぎる想いにより生まれたトリッキーな魔装である。
様々な魔法を規格外の威力で使用できるため、ノイルの中ではミリスが居ない場合の切り札として扱われていた。
魔法士だけがノイルに宿っている場合は、その力を更に引き出し、一日一度限りの制限を突破する《
その性能は最早言うまでもなく、恐ろしい火力の多種多様な魔法を使用可能となり、まさに障害を滅する慈悲のない魔装と化す。
その殲滅力と破壊力はノイルが戦慄し、余程の事でもない限りは人に向けて使用するのを自身で禁じる程であった。
《馬車》
発現者――ノイル・アーレンス(馬車)
ノイルが『六重奏』の内の一人、馬車の力を借りて発現させる馬車の魔装。
馬は作り物のような珍妙な姿と動きをし、その外装は少々オンボロと、一目見ただけでは眉をひそめるような魔装である。
加えてマナの消費も激しく、実際の所あまり使い勝手は良くない。
しかし、その内装はミリスの要望通り非常に豪奢で快適な空間となっており、お絵描きセットを完備しているなど、無駄な所に力を注ぎ過ぎているが、一度乗っただけのミーナが虜になった程である。
更に走行速度も通常の馬車と比べれば遥かに速く、悪路も難なく走る事が可能であり、マナ消費と見た目に目を瞑れば非常に有用。
元はミリスの無茶振りに応えた形ではあるが、ノイルの中でも使用頻度が高い魔装となった。
馬車だけがノイルに宿っている場合は、その力を更に引き出し、燃費と速度と内装が一層改善された《
性能だけを考えれば世界一の馬車と言っても過言ではない程の魔装と化すが、見た目も一層珍妙なものになった。
そもそもノイルの言の通り、別に馬車なら普通に高級馬車を用意すれば良く、自在に出し入れできるという多大なメリットを鑑みても、魔装の枠を消費してまで発現させるものでもなければ、『六重奏』の中でも優れている馬車の能力をこれに浪費するのは割に合っていない。
便利ではあるが、才能の無駄遣いも甚だしい魔装である。
《狩人》
発現者――ノイル・アーレンス(狩人)
ノイルが『六重奏』の内の一人、狩人の力を借りて発現させる纏うタイプの魔装。
その場に応じた暗色の衣に、武器である弓と短剣が発現する。
ノイルの中でも非常に使い勝手の良い魔装であり、身体能力、感覚器官、器用さなど、純粋に使用者の能力を向上させ、主力の魔装となっていた。
また、元は可能な限りの直接戦闘を避ける狙いで生み出した魔装であるため、真の驚異はその隠密性にある。
この魔装を使用したノイルが本気で身を隠そうとすれば発見は困難であり、前情報なしで不意打ちされれば防ぐ事は容易ではない。
しかし、そういった性質上、実際は直接戦闘にはあまり向いておらず、短剣と弓矢以外での攻撃は意味がなくなり、一撃でもまともに攻撃を受けると容易く破壊される。
従って敵の攻撃は全て避けなければならず、こちらの攻撃は読まれやすい。
狩人だけがノイルに宿っている場合は、更にその力を引き出し、能力、武器の威力、隠密性が極めて向上した《
この状態になれば対面していようが、一度目を離せば見失う程の気配の希薄さとなり、短剣はベルツの一撃を容易に受け流し、弓矢はシアラの魔装を難なく破壊した。
飛躍的に向上したその力は、両者を圧倒せしめた程である。
ただしデメリットの部分は一切変わって居らず、やはり本来であれば直接戦闘に持ち込むべきではない。
とはいえ、ノイルの戦闘スタイルや性格と見事に噛み合っていた魔装である。
《変革者》
発現者――ノイル・アーレンス(変革者)
ノイルが『六重奏』の内の一人、変革者の力を借りて発現させる輝く夕陽色の腕輪の魔装。
非常に特殊な魔装であり、ソフィを救うために発現させたこの魔装は、他者の魔装を一度だけ創り変える力を持つ。
対象となる者の魂へと干渉するため、使用者へと身を委ねる覚悟が必要であり、もし失敗すれば魂を歪めるか破壊してしまう。
そのため無理矢理にこの力を用いて相手の魔装を創り変える事はできない。
加えて規格外の能力を扱うために使用者へは莫大な負担がかかり、当初はノエルの助けがなければその力を奮えない程であった。
変革者のみがノイルに宿っている場合は、その力を更に引き出し、使用者の負担が極限まで軽くなった《
また、ノイルはこの力を無闇に使用しなかったが、この状態であれば実は無理矢理に相手の魂への干渉が可能となっている。
つまり、有無を言わさず敵の魂への直接攻撃と言っても過言ではない行為が可能。
当然相手次第で抵抗される事もあるが、『六重奏』の力を借りた魔装の中でも一際危険な魔装であった。
もしも万全の状態かつ、その能力を行使する隙きさえ生じていたのならば、『アステル』を打倒する可能性も秘めていた魔装。
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発現者――ノイル・アーレンス(『六重奏』)
ノイルが『六重奏』の力を借りて発現させる魔装。
厳密にいえば、それはかつての『六重奏』の魔装であり、ノイルが独自に生み出したわけではなく、真の意味で力を借りているだけだとも言える。
そのため使用した負担もノイルにはかからず『六重奏』が受け持っていた。
とはいえ、ベースとなっているのはノイルが発現させた魔装であり、過去のそれとは別物でもある。
上記の魔装全ての力を掛け合わせ、何倍にも高める魔装であり、変革者が核となり各々を繋いでいる。
これにより各魔装は抱えていたデメリットがなくなり、本来の力を発揮し、組み合わせによって強力無比な力を行使する事が可能。
また、全ての魔装を純粋な力に変換することも可能であり、使用者の能力を純粋に高める事ができる。
規格外の魔装ではあるが、その使用中の負荷は《変革者》を遥かに上回るため、ノエルの助けか、または《白の王》の発動中でなければまともに行使はできない。
しかしノイルは自力での使用を考えた末、一瞬だけの発動という荒業を生み出した。
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