第4話 ベガー!!
防犯カメラに映っていた映像は筋肉ムキムキの全裸の男であった。
頭には毛髪はなく、こめかみから頭頂にかけてミミズのような青筋が鮮明に浮かびあがっている。
「……やはり、この男だったのね」
「そうだ、この男だ」
「もう、さっきから自分たちばかり納得してないで、あたしにも教えてくださーい!」
水上課長と玲香のやりとりに美由紀は思わず大声をだしていた。
水上が玲香に顎を向けた。おまえから説明してやれ、との無言の命令だ。
玲香は面倒くさそうにうなずくと、
「名前は
「日便連? 日便連の息子がどうして?」
「日便連は日本に巣くう反日ネットワークの中枢機関。そのサロンの主立ったメンバーは――
処女だと恥ずかしいと女子大生に迫った元テレビキャスター
戦地のホテルで助手の女性を犯しつづけた人権派ジャーナリストの
アメリカで指名手配になり、懲りずに日本でも性暴力を繰り返した活動家・
天下り斡旋で小金をため、援交を繰り返した元文部官僚・
ヤツら反日文化人のサロンに朽木弁太郎も出入りしていた。彼らの思想と行動に共鳴するうち下半身が暴走して歯止めがきかなくなったのよ」
「朽木弁太郎は以前にも烏ヶ森公園で起きた強姦殺人の容疑者となっているんだ」
水上課長が説明をつけ加え唇をひき結ぶ。もうそれ以上は話したくないようだ。
「ベガー、ベガー……っていってたのは」
なぜですか、と美由紀がさらに問いを重ねる。
玲香が吐き捨てるようにいった。
「あれは……アベガー、アベガーっていってたのよ!」
つづく
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