第8話 リンカVSレッド・ドラゴンイーター!!
『大甲虫の森林』の草原地帯でモブサウルスを5匹退治し、チュートリアルクエストをクリアしたリンカ(=狩野花梨)。
ドロップアイテムを拾ったところ、その中にはレアな魔石【ジャスト・パリィの魔石】が5個も含まれていた…。
ウキウキしながら魔石を装備してみた直後、運悪く(?)レアな乱入モンスター『レッド・ドラゴンイーター』に遭遇してしまった!
まだ移動系スキルの無いリンカより、レッド・ドラゴンイーターの方が直線移動速度は上で、拠点までは逃げ切れそうにない…。
GR1(ギルドランク1)の初心者ハンター『リンカ』は、ランダム乱入型の巨大ボスモンスター『レッド・ドラゴンイーター』と戦うことを決心したのだった!
「 戦うって…本気ですか!? 」
戦場(草原)から数百メートル離れた拠点から遠隔通信魔法【コール】で、ジョセフィーヌはリンカに問いかけた。
「 あぁ。 移動速度的に逃げ切れる可能性は ほぼ0だろ? さっきはガードしたのに一撃であのダメージだからな…下手に逃げようとしても攻撃を一撃食らっただけで…ってか かすっただけでも死ぬの確定だろ? だったら ここは、さっき手に入れたスキル【ジャスト・パリィLV5】にかけるしかないんじゃね? 」
リンカは真顔で答えた。
それを聞いてジョセフィーヌも、
「 …たしかに、そうかもしれませんね…。 入力受付時間が0.1秒間しかない【ジャスト・パリィ】はプロハン…プロ級の腕前のハンターでなければ使いこなせないのですが…こうなったら、リンカさんがプロハンであることを祈るしかありませんね… 」
と、神妙な顔で答えるのだった。
「 まぁ、今日 初めて狩りゲーをやった『初心者』のアタシが『プロハン』ってのもおかしいけどなw 」
リンカは笑って答える。
「 たしかに…w 」
ジョセフィーヌも苦笑して返した。
そうこうしてる内に、レッド・ドラゴンイーターは、雄たけびをあげながら再びリンカに向き直って突進してきた!!
「 グガアァァァッ!! 」 『 ドスンッ! ドスンッ! ドスンッ! ドスンッ! … 』
リンカは左手を前に、剣を持った右手を右後方に引いて構えた。
目を大きく見開いて集中する…
『 ゴクリ… 』
ジョセフィーヌが唾を飲む…
リンカとレッド・ドラゴンイーターの距離が急速に縮まり…
レッド・ドラゴンイーターの巨大な口がリンカの眼前に迫ったその時、リンカは右手の剣を左方向に振りぬいた!!
レッド・ドラゴンイーターの下顎(下唇)目がけて!!
レッド・ドラゴンイーターの突進を、リンカの左方向(レッド・ドラゴンイーターの右方向)に逸らして受け流すように!!
『 キィィィィィンッ!! 』
甲高い音が鳴り響いた!!
『 ズズゥゥゥン… 』
レッド・ドラゴンイーターの巨体がリンカの左側に逸れて、その勢いのまま転倒した!!
「 …っと!!? やった!! できたっ!! 」
リンカは右手を『グッ』と上げてガッツポーズをしている!!
「 すごいっ!! ぶっつけ本番で、いきなりっ!!? 」
ジョセフィーヌも驚いている。
…と同時に、リンカの身体から金色のオーラのような光が立ち上りはじめた!!
「 えっ!!? これって…!!? 」
「 あっ!! リンカさんっ!! それは【ジャスト・パリィ】発動成功時の5秒間のバフ(LV5なので攻撃力5倍のパワーアップ)です!! 」
「 …っと、そっか!! 」
入力受付時間0.1秒間の高難度スキル【ジャスト・パリィ】を、超強敵レッド・ドラゴンイーターを相手に初めてで ぶっつけ本番で成功できたことが嬉しくて、その後の5秒間のバフをうっかり忘れてしまったようだ。
(^ω^;)
5秒経過したレッド・ドラゴンイーターが のそのそと起き上がった。
「 あ~…攻撃チャンス逃しちゃったか…けど まぁ、コツは掴んだし、いっか♪ 」
リンカは不敵に笑った。
「 一回 成功したからって、油断はダメですよ! 」
ジョセフィーヌがリンカをたしなめる。
「 わかってるって♪ 」
リンカは軽い口調で返した…が、目は真剣そのもので、レッド・ドラゴンイーターからの次の攻撃に備えて集中している。
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