第1話 死闘!! 新米ハンターVS巨大ボスモンスター!!

ここは『大甲虫の森林』の草原地帯…。 ( 『大甲虫の森林』は、拠点と森林との間に1kmほど距離があり、拠点と森林との間は草原地帯になっている。 )

 

今、ここでは、GR1(ギルドランク1)の新米ハンターと、ランダム乱入してくるボス級(ボスクラス)の巨大モンスターとの死闘が繰り広げられていた!!

そして、この死闘を数百メートル離れた『拠点』から、遠距離通信魔法【コール】(千里眼とテレビ電話を合わせたような魔法)で見守る者がひとり…この新米ハンターの担当受付嬢だ。

 

( この初心者ハンターの名は『リンカ』。 腰のあたりまで伸びた赤毛のツインテールの根元を黄色いリボンで縛っている。 目は大きく、ややツリ目だ。 身長は160cmほどで、胸は大きい。  防具は、身体にぴったりフィットしたグレーのボディースーツの上から、胸宛て、腰宛て、(手首から肘にかけての)腕宛て、脛宛てを身に着けている。 これらの防具は、古い十円玉のような、くすんだ銅の色をしている。 また、右手には刃渡り70~80cm程の銀色のショートソードを、左手には直径50cm程の銀色のラウンドシールド(円盾)を装備している。 )


( 一方の巨大モンスターは名を『レッド・ドラゴンイーター』という。 オタマジャクシのような体型をしているが、口は大きく裂けており、なんと身体の3分の1ほどが口であり、大きくあいた口には巨大な牙がずらりと並んでいる! 口が全長の約3分の1、胴体も全長の約3分の1、尻尾も全長の約3分の1…といった比率だ。 そして、通常の動物であれば上顎(上唇)付近に鼻があるものだが、このモンスターの場合は本来 鼻があるべき位置には蘭々と黄色く輝く目が付いており、下顎(下唇)の付近に鼻がついていた。 これだけでもかなりの異形なのだが、更にこの生物には(通常の動物と異なり)左右に3本づつ…計6本もの脚が付いていた。 体表は、固まりかけの溶岩のような若干黒ずんだ赤い色をしている。 そして、最も特筆すべきはそのサイズだろう。 尻尾まで含めた全長は50メートルほどもある! 数ある大型モンスターの中でも大きい部類に入る。 『ドラゴンイーター』(竜を食う者)という名前は伊達ではないということだ。 )


( そのハンター(リンカ)を見守る受付嬢は名を『ジョセフィーヌ』といい、リンカの担当の受付嬢で、AI(人工知能)だ。 リンカ同様に、身長は160cmほどで巨乳。 スカイブルーのボブヘアで前髪は真ん中わけ。 やや垂れ目でスカイブルーの瞳。 白い襟付きシャツの上に、身体にフィットしたノースリーブのネイビーの制服(ところどころにスカイブルーのラインが入っている)を着て、襟もとにスカイブルーのスカーフを巻いている。 手には手首が隠れるくらいのネイビーの手袋(裾はやや広がっている)をし、腰にはグレーの太めのベルトとその両サイドにグレーのポーチ、下半身は白いタイツ、足には踝(くるぶし)が隠れる程度の短めのブーツ(裾はやや広がっている)、頭にはネイビーの帽子(帽子のツバはないが、中央に五角形の金色のプレートが付いており、プレートには「MB」(モンスターバスター)という文字をかたどったロゴが彫られている)を身に付けている。 )


「 グオオォォッ!! 」 『 ドドドドドドッ!! 』

全長50メートルのレッド・ドラゴンイーターが、身長160cmのリンカに、その巨大な口を開けて突進してきた!!

普通のGR1の新米ハンターならば、この一撃でそのまま吹っ飛ばされてゲームオーバーになる可能性が濃厚である。

しかし、リンカは普通ではなかった。

突進してきたレッド・ドラゴンイーターの前に(ガードするでも逃げようとするでもなく)右手に刃渡り70~80cmほどの剣を構えて立ちふさがり…レッド・ドラゴンイーターの攻撃(口元)に合わせて斬撃を(右から左に払うように)繰り出した!!

『 キィィィィィンッ!! 』

甲高い音が鳴り響き、レッド・ドラゴンイーターの巨体がリンカの左側に逸れて、

『 ズズゥゥゥン… 』

と横転して倒れこんだ!!

身長160cmのリンカが、全長50メートルのレッド・ドラゴンイーターの突進を『受け流した』のだ!!

そして、受け流すと同時にリンカの身体からは金色のオーラのような光が立ち上りはじめた!!


「 嘘でしょ…リンカさん…もう高難度スキル【ジャスト・パリィ】を使いこなしてる…『アクションゲームやること自体このゲームが初めて』って言ってたのに… 」

と、ジョセフィーヌは驚愕の表情で呟いた。


( 【ジャスト・パリィ】とは、このゲームの高難度スキルの一つである。 『パリィ』とは、『受け流す』とか『いなす』という意味だ。 この【ジャスト・パリィ】というスキルは、敵の攻撃にタイミングよくプレイヤー自身の武器攻撃を合わせて受け流すことで、無傷で攻撃をしのげる。 それだけではなく、攻撃を受け流された敵は5秒間ほど体勢を崩してしまう。 更に、プレイヤー自身には5秒間 攻撃力が数倍になるというバフ効果(パワーアップ効果)まであるのだ。 但し、このスキルは発動条件が極めてシビアだ。 このスキルを発動させる為の入力受付時間はたったの0.1秒間。 『ジャストタイミングの0.1秒前~ジャストタイミングまで』の0.1秒間しか入力受付時間がないのである。 0.1秒…それは人間の反応速度の限界とも言われている。 当然 並ハン(並の腕前のハンター)ではこのスキルは扱いきれず、せいぜい『十回 試みて運よく一回 成功するかどうか』だろう。 その難易度の高さから、実質、プロハン(プロ級の腕前のハンター)専用スキルのようになっている。 ) 


「 いくぜぇっ!! 」 『 ダッ!! 』

金色のオーラをまといながら、リンカはレッド・ドラゴンイーターにダッシュした!!

今のリンカは【ジャスト・パリィ】LV5を積んでおり、ジャスト・パリィ発動時は5秒間だけ攻撃力が5倍になる。

レッド・ドラゴンイーターが体勢を崩している5秒間に、自身の5倍になっている攻撃力でありったけの攻撃を加えるのだ!!

『 ザシュッ! ザクッ! ザクッ! ザシュッ! ザシュッ! ザシュッ! …… 』


「 グルルル…ッ!! 」

5秒が経過し、レッド・ドラゴンイーターがのそりと立ち上がった。


「 ちっ…もう5秒経っちゃったか… 」

リンカは用心していったん間合いをとった。


…と、その直後、リンカに向けて巨大な口をぱっくりと開けたレッド・ドラゴンイーターの口内から、巨大な火炎球(ファイヤーボール)がリンカめがけて放たれたっ!!




◇ ◇ ◇ ◇ ◇




…4時間ほど前…




都内のとある高校近くのファミレスで、幼なじみ同士のオタク女子高生2人組が おしゃべりしながらタピオカミルクティーを飲んでいた。

 

一人は、黒髪を赤いリボンでツインテールに結っている(ツインテールの末端は肩甲骨辺りまで伸びている)、身長160cmくらいの高校一年生(15歳)で、名前は『狩野 花梨(かりの かりん)』という。

やや釣り目気味の大きな目をした、どことなくボーイッシュな雰囲気を醸し出している少女だ。

ちなみに、胸はかなり大きい。

制服は、基本的にはオーソドックスなデザインのセーラー服で、白い長袖シャツ(袖口は紺色)、紺色の襟(襟の縁の辺りには一本の白いライン)、白いフロント布(胸宛て)、赤いカフス、黄色いカフス止め、紺色のスカート、紺色のソックス…という具合だ。

ただ…『基本的にはオーソドックス』と前述はしたが、シャツの『生地』は一般的なセーラー服とは少々異なっており、袖の部分の生地は一般的なセーラー服と同じ(ポリエステルと綿の複合素材)なのだが、胴体部分の生地はストレッチ素材になっていた。

結果、このストレッチ素材により、(現実世界では ほぼ お目にかかることのない)『乳袋』が形成されており、また、キュッと引き締まったウエストのライン・シルエットも くっきり・はっきりと浮かび上がっていた。 ( ちなみに、一部の女生徒やPTAなどからは「煽情的だ!」などの批判的な意見もあったとか なかったとか…? )

尚、靴は(制服とは異なり)学校指定のものは決まってないので、花梨は黒い靴を履いている。


もう一人は、茶色がかったショートヘアで、頭頂部の左右が まるでネコ耳のように逆立っている髪型をしている、身長150cmくらいの高校一年生(15歳)で、名前は『大友 愛留(おおとも あいる)』という。

どことなくネコっぽいパッチリとした大きい目をしていて、口はビミョーにネコ口(ねこぐち)気味で、左右の八重歯が発達しており、前述のネコ耳のような髪型と相まって、全体的に『ネコっぽい』印象の強い少女だ。

ちなみに、(花梨と同様に)胸はかなり大きい。

制服は花梨と同じセーラー服で、靴は(学校指定品のものは決まってないので)茶色い靴を履いている。


 

 

物語はここから幕を開ける…


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