2.アンナ・ステインローズの魔力数値と魔力属性は……
あれから、お祖母様から予備で貰っていた魔力測定器を使用したけれど、結果は全て同じで私が水晶に触れた途端に爆発してしまった。
「もしかして……不良品……?」
ふと、そんな考えが頭をよぎったけれど、すぐにその考えは否定出来た。私の両親は揃って親バカと言ってもいいぐらい私もアリーも平等に愛情を注いでくれている。そして、お祖母様もそれに負けないぐらい孫娘に甘い。だから、そんなお祖母様が私達に不良品を渡すなんて考えにくい。
「だったら……お祖母様が不良品をつかまされた……?」
再びそんな考えがよぎったけれども、それも即座に私の中で否定された。お祖母様は前ステインローズ伯爵夫人である。おまけに、魔法省ではかなりトップの役職だったと聞いてるし、なによりお祖母様自身が「鑑定眼」という、あらゆる物を見抜く魔法を習得しているので、不良品をつかまされる事はあり得ないと断言出来る。
「だとすると……考えられる可能性って……」
私は魔力測定器の説明書の一文を見た。
『滅多にありませんが、魔力測定器でも計測不可能な魔力数値の場合は、魔力測定器が壊れる事もあります』
小さな文字でそう書かれていた。こんな小さな文字でしかも最後の方に書かれているという事は、よっぽど測定器で測定出来ない例はないという事なんだろう。
「でもなんで……アンナ・ステインローズはごく一般的数値のはずじゃ……?もしかしなくても……私がアンナ・ステインローズに転生したから、転生チートボーナス的なのがついたとか?」
色々考えを巡らしても答えは出なかったので、とりあえず無事に測定された魔力属性の方を見てみる事にした。
しかし、その結果が私を更に困惑させた。
「無……?」
属性測定の表示された結果には、たった一文字『無』と書かれていた。
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