第34話 テンセイ氏の同人誌評価②《レビュアー》
【番外作:春と青春】
実はあまり知られていないようですが、テンセイ氏は全年齢対象向けのオリジナル同人作品を制作した事もありました。それが、4冊目と5冊目の間にひっそりと売り出された本作品です。
テンセイ氏の作品としては珍しく、残念ながら世間での評価は低くてあまり話題にならなかった残念作として、本作品を知っている方には認知されているでしょう。
その理由として、作品内で描かれたストーリーというのが壮大だが惹きつけられるような魅力がとても少ない、ということが挙げられると思います。
風呂敷を広げすぎて伏線回収するためのページ数が圧倒的に足りていなかったり、全体的な構成が拙くてワケが分からなくなったり、読んでみると色々と残念な部分が多く見受けられるからでした。
そもそもテンセイ氏の描く作品に求められているのはエロティックな部分であり、全年齢向けはテンセイ作品の読者に刺さらなかった、という理由もあるでしょう。
成人向けでは絶大な評価を得ている一方で、全年齢向け作品がイマイチという結果となってしまいました。結局、その後も話題にもならず人々の記憶には残らなかったようです。
ですが私は、作者のチャレンジ精神を非常に評価したいと思っています。この先、他にも様々な作品を創作していくためにも今回のような作品を描いてみるというのが必要だと思うのです。そんな作者の挑戦を、ぜひとも応援していきたいと思います。
相変わらず、画力は非常に高いので各ページの絵を鑑賞して楽しみ事はできます。
テンセイ氏の作品は全て目を通して把握しておきたい、というようなファン以外にはあまりオススメできない一冊ですが、応援するために読者の皆様はぜひ本作品を購入してみて下さい!
総合評価点数:2点★★
【5冊目:彼氏と私と、見知らぬ女】
再び、テンセイという作者の趣味嗜好の幅広さを確認することになった作品です。
恋人の男を他の女に奪われる、という今まで他の作者もあまり描いているのを見たことがないような新しいジャンル。一体どこから発想してきたアイデアなのか不思議でしょうがありません。
だがしかし、これは受け入れられる読者と受け入れられない読者で意見が真っ二つに分かれるでしょう。ネット上でも賛否両論となっている作品です。童貞厨のような読者とは非常に相性が悪いと思われる作品なので、読もうとする場合には注意が必要です。
奪われる女、奪い取る女、それとも作品中心の男、どのキャラクターに感情移入をするのか、愛しているのか愛されているのか、男らしい複雑な感情を想像するのか、女性として奪われ傷ついた心、奪い取った優越感、どんなふうに本作品を楽しむべきなのか。未だに何が正解なのか、ネット上で議論されています。
個人的な意見として快楽に堕ちていく男の変化していく様子、そして堕ちた瞬間の表情を楽しむというのが一番の楽しい読み方だと思っています。まだ未読の読者なら一度読んでみて、その後に感想や意見を交換してみたいですね。
総合評価点数:4点★★★★
【6冊目:親子愛】
もう何度目になるのだろうか、作者が再び新しいジャンルを生み出しました。
母親と息子の二人暮らし。近所の人から見ると、とても仲良しな親子だった。実は夜になると母親が、息子の性処理をしているという内容です。
息子姦という作品。息子と母親という関係でありながらアブノーマルな性交渉してしまうという、夢のシチュエーションを描いた内容になっています。今まで世間でもタブーとされてきたために、誰もが足を踏み入れることに躊躇した分野。
そこを思い切って先陣を切ったのが、この作品でした。
ですが、タブー視されていた過去もあるので、見る人によっては不快になるような表現があるかもしれません。こちらの作品は、閲覧する場合には注意が必要です。
日常のシーンから非常にリアリティが有って、まるで実体験を描いたような内容は必見です。
総合評価点数:4点★★★★
【7冊目:さよなら】
タイトルからも分かるように、今作品が最後の同人誌発行として作者は考えているようです。残念なことに、作品のあとがきにも書かれていました。
本作は、今までテンセイ氏が描かれてきた6作品を総まとめするような作品です。同人誌にしては、お値段がかなり高額です。ですが、同人誌なのに全600ページもあるという値段に見合った大ボリュームになっています。
ただの総集編ではなくて、新規カットも多数あるので過去の作品を購入してた方も新たな気持で楽しむことが出来るでしょう。
テンセイ氏のファンとしては、必携の1冊となっております。
総合評価点数:5点★★★★★
【レビュアーの個人語り】
この三年間で、テンセイ氏の同人界に与えた影響は計り知れません。作者の存在があった事によって同人界隈は大いに盛り上がり、かつての状況から一変しました。
女性の性的な趣味趣向は多様化して同人作品のジャンルも広がり、より多くの性的欲求を満たすために読者も貪欲になってきています。
そんな読者の欲求を満たしてくれようと、ここ数年で作家の技術や手法など様々な革新が起こって進歩してきました。これは、テンセイ氏の存在が非常に大きかったと思われます。
これから先、同人界隈がどう変わっていくのか、第二、第三のテンセイ氏のような革命児が現れるのか、個人的に私は今後の行く末を非常に楽しみにしています。
ちなみにテンセイ氏は、近いうちに商業誌で作品が掲載される情報を得ています。今後の活動もぜひ追いかけて、テンセイ氏の活躍をウォッチし続けていく予定です。掲載された際には、レビューを今後も行っていく予定となっております。
ぜひ、お楽しみを!
「同人賢人録」独女評価のテンセイ氏に関するページ、より引用。
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