異世界帰りした先に待っていたのは幼馴染み兼異世界の婚約者でした。

プロローグ

本当に、何も変わらない朝だった。

　朝ごはんを食べ、歯磨きをして、いつもの電車に乗り、高校に向かう。友達と会い、馬鹿話をされてそれに応じる。

そこまでは何も変わらないはずだった。テストの事や、どこに受験するかなど話し合ったところまでは普通だった。

　なのに俺は感じたことの無い恐怖に駆られた。そのまま友達に先に行くと伝えて全速力で走った。

　すると俺の幼馴染みの霧間凛（きりま　りん）が通学していた。そしてトラックがそこに向かって猛スピードで突っ込んで来ることも分かった。

　咄嗟に凛を突き飛ばした。俺の視界はそこで暗転した。