第8話 「イッきまーす!!(色んな意味で)」

 ロードウェル公領最西端、国境沿い。


 糞だ。

全く持って糞な話である。

昨日、ウチのクソ女共に痛めつけられた体を、

木々の根元で何とか屈ませ、用を足していた。

大小どっちって?

簡潔に答えよう。


 糞だ‼


 そして眼前に立ちふさがる問題も全く持って糞だった。

今すぐこの状況を説明したい。というか仲間に伝えてやりたいが。

しかし、この話を語る前に、中つ国における糞の仕方について語ろう。


 旅を始めてまだ最初の頃。

ここと大して変わらぬ森の中であった。

「僧侶さ。俺、トイレ行きたいんだけど」

「はい?『といれ』って何ですか?」

「あー、厠?」

 ああ、と理解した僧侶は、革袋から分厚い札の束を取り出す。

束は、札の上部に空いた穴から紐を通して綴ってある。

見た目、日めくりカレンダー・お札版だ。

僧侶は束からピッと二枚の札をちぎり取って、一枚を俺に渡した。

なんか表面がシリコンみたいでヒンヤリプルプルするんだが。


「さ、では参りましょうか」

 そういって藪の中へ俺の手を引いて行く。

「え、ちょっ」

 まてまてとその手を引っ張り返す。


 何でお前と一緒に行くのだ。


「催されたのでしょう?

ちょうど私も小用を済ませたかったので。

ついでにこの札を使った野外の排泄をお教えしようと」


 じゃあ何。俺、お前に出すとこ見られんの。

 俺にはそんなマニアックな趣味はねえぞ。


「では、私から。あの木の根元いいですね」

 そう言って紐で束ねた後髪を肩越しに前にやると

服の裾を持ち上げ、大木の根の谷間にしゃがみ込んだ。


 男の前で、何の躊躇も無く。


「フッ!」

 僧侶の両脚の間から小便が噴き出す。


 しゅ、しゅうちしんと言うモノが無いのかお前。


 ああ、だけど良く考えろ。


 コイツと俺は生きてきた環境が違う。


常識というのはあやふやなモノで、歴史だけでなく地域によって全く異なる。

おまけにコイツは戦場に従軍もしていて、俺よりこういった生活に慣れている。


 その辺、互いの感覚にズレがある。



 ブブッ、ブゥ~!



「⁉」

「あ、出ますね。出ます出ます」

 実況せんでいい!

「おかしいだろお前!交尾セックスにはあんな拒絶反応起こすくせに!」

「排泄は……ッ、生物が生きる上で必ず必要な行為ですからッ。フッ、クッ……」

 爪先立ちでプルプル震える彼女の足が視界に入った。

その間から垂れる茶色い物体もな!

「それもこういったッ野外でのやり方に慣れる必要がございます。

あ、周り見張っててくれます? 害獣や不審者が寄ってこないか、二人一組が基本です」

「……」



 不審者オレらだろぉぉぉ⁉



 この今の様を良く考えろ。

野外でスカトロプレイに興じる男女にしか見えんだろ。


 くっ、ちょっと臭ってきた。


小綺麗な顔して、男に見られながら平然と大小致すとかお前…お前…

ちょっと、いや結構萎えたわ。


「はい、じゃあお札使いますよ。

いいですか。洗いたい場所にこう沿わせて、念じて唱えるだけです」


『魔符に込められし聖なる水霊よ。我が穢れ、清めたまえ』


僧侶の言葉と共に、札からウォシュレットの如く水が噴き出した。



どんな原理だ…



「念じる際に、水の飛び出る方向と勢いをイメージして調節します。

水が噴き終ると札は乾いた状態になりますので、

あとは濡れた所を札で拭き取るだけです――はい、おしまい」

水気を拭き取ったお札をポイと捨て、立ち上がった僧侶は、

その場から一歩横にずれる。

目の前には金髪美女がヒリ出した糞と小便。


 何、俺も同じ場所でしろってか。


「いかがされました勇者様。どうぞ。私、見張っていますので」

何事も無かったかのような顔でシュッと短剣を引き抜き、

鼻歌交じりに辺りを見渡し始める。


 他意は無いんだろうが、悪意を感じてしまうぞ。


 ひどいカルチャーショックだ。


俺はなんてブッ飛んだ連中と旅をしているんだろう。

げんなりしつつも僧侶の汚物が広がる地面にしゃがみこみ

恥辱のプレイを、中つ国式野糞の作法を受け入れたのだ。


 さて、話を戻そう。

現在の状況に陥る、ほんの一・二分前から。

「僧侶、トイレ」

「あ、はい。ちょっと待ってくださいね」

 女性に排泄行為を宣言する恥辱にもいい加減慣れてきた。

彼女から水洗の魔符を受け取って俺は草むらへと入る。

「勇者様、見張りを」

「いらん!」

 魔符をヒラヒラ振って僧侶を追っ払う。

このお札。唱え方は人それぞれだそうで。


戦士ちゃんとか凄いぞ。超シンプル。


『ケツ!』


 あれ聞いて頼もしさが千倍アップしたわ。

そして俺もそれに倣い脱糞後、札を肛門に当てて唱えた。



『あ、ソ~レ。ブッシャァァァ!』



「グアァ!」



吠えるように唱えた我が顔上で、墨のように黒い骸骨スケルトンが吠え返した。



「アアアヒィィィッ!」



肛門を突くような猛烈な水圧のせいか、はたまた目の前で金槌を振りかざす骸骨への恐怖か。

いずれにせよ俺の悲鳴は、草むらの向こうの仲間達への警報アラートとなった。


 金色の髪をなびかせた僧侶が、漆黒のスケルトンを短剣で叩くように薙ぐ。

人体模型の如く整然と配置された骸骨の骨がガラリと崩れる。

それを疾風の如く褐色の戦士ちゃんが飛び越え、

視線の先にいる数体のスケルトン集団へ向かっていった。

下半身丸出しで唖然とする俺を、失笑するように一瞥した僧侶がそれに続く。


 く、屈辱……


急いで尻を拭き終え、散乱した骸骨を調べ始めた彼女たちに合流する。

「こ、こいつら。幽霊?」

それとも、RPGによく出てくる――

「ネクロマンサー、その『式』でしょうね」

「うわ、居るんだやっぱり」


 エルフが居る魔族が居る、魔法が使える、そんな中つ国。


なんとなく予想はついていたが。

嫌なんだよなぁ。そういうグロそうなの。


「この骸骨はマナで動いていた。使役者と魔力で繋がっていたかもね」

「だとすれば、すぐに動いたほうがいいでしょう」

「車、いつでも出せるけど」

「バカ」

 戦士ちゃんに頭をドツかれる。

「勇者様、逃げてどうするんです!」

「僧侶の言う通りだ。アタシらで片付けるんだよ」


 いやいやいや、まってくれ。


「まだそのネクロマンサーに気付かれたと決まった訳じゃない。

しかも相手の規模も把握できてないんだよ?」


「規模のデカい集団なら同盟軍側が追ってるし、処理するだろ。

ここの連中が用いる警戒用の式は骸骨だ。大した技量は無いとみたね」


「根拠はあるのかよ?」


「強力な使い手ならば、警戒用でも出し惜しみしませんよ。

ドラゴンや大型モンスターの死体をいくらでも使うはずです」


 『これ以上入ると危険だぞ』なんて甘い警告は無いんだと、僧侶は言う。


 お前は踏み入った、だから殺す。


常に命を懸けて生きている。やり直しはきかない。

だからこそ、最初から最強のカードを切る。

最も早い段階で、外敵を確実に駆除する為に。



 最初は雑魚からだなんて、誰が決めた?



 二人の回答は、俺の思考をゲームから現実へと引き戻した。

「操者はあの洞窟の中だろう。僧侶、破邪の術式は使えるかい?」

「ええ、連術相手が居ませんが問題無いでしょう。

短刀も法儀済みですから、私が前衛を務めます」

「じゃあアタシがケツを守る。勇者、アンタは僧侶の後を離れるんじゃないよ」


 今回は俺、お荷物らしい。

 身を守れる物は一応持っとけと、先程の骸骨が持っていた金槌を渡される。


「スッカスカの骨相手にゃ、御自慢の『銃』も効果は薄いだろ。

その辺は弓矢と変わらんね」

「それに閉所であの轟音はっぽうおんは、我々にも被害でますからね」

 耐えろ、俺。今は彼女らのリードに任せるしかない。

穴へ近づくにつれ強くなる腐敗臭にえずきながら歩みを進める。

そして入口付近に立てかけられた木の柱を見上げ、ギョッとした。

焼け焦げた死体が二体、串刺しにされている。


 ひぃぃぃぃぃぃぃ


この世界に来て一番の恐怖。

いや、悍ましさを感じた。

震えから足がすくむ…そして。

ズンと、背後から背中へ衝撃が加わった。


「早く動けぃ」

「あっ、は……、戦士ちゃんか」


 そうだった。俺の後方には頼れる『タンク』が居てくれるじゃないか。

大丈夫だ。大丈夫。入口前で、僧侶が破邪の術式とやらを唱える。

青白い光を帯びた右手で術印を切り、俺たちは洞窟の中へと足を踏み入れる。

「勇者様、ふらっ……あーなんだっけ。『光る筒』を!」

 先頭を歩く僧侶へフラッシュライトを手渡す。


 彼女僧侶は正面から天井へと順に照らしつつズンズンと歩みを進める。

エントランスに当たる空間を抜けると、その先にはドアが設置されていた。


 もうこの先は、戦地。未知の敵との遭遇。

先程の串刺し死体や腐乱臭で、意識が朦朧としてきつつある。

正直、まともに戦えるかも分からない。

僧侶が短剣を逆手に構え、ドアを開ける。

一拍の間を置き、脅威が無いと確認すると、一気に突入した。

「ホレホレ、続け!」

 後ろからの戦士ちゃんの声が、遠くからの木霊の様に聴こえる。


 いかん、意識を繋ぐんだ!


足へ走れと命じるが、その動きはまるでスローモーションのように鈍い。

そしてようやく、ドアを超える。


 ズッ、バキッ


足が何かを踏み砕き、床が沈んだように感じた。

「あっ」

その声に振り向いた僧侶のフラッシュライト。

その光が俺や扉の壁面を反射して足元を照らす。

血肉がこびりついたおびただしい数の人骨が、床一面に敷き詰められていた。


 「ひっ、あッ」


 足が脳からの命令をシャットアウトしたかのように動かない。

そして激しく震え始める。


 「あぁ、ひっ。あああう」


もう自分の発する声が情けないとかどうでもいい。


 誰か助けて。


口を動かそうとしたが動かず、ついには足から力が抜け始めていく。


 ダメだ!ダメだ!

 足元にはっ……ッ、膝をついちゃダメだ!イヤだ!


「嫌っ」

 後ろから口を塞がれ、体を担ぎあげられる。


「こりゃいかん。一旦退こう」

 俺が聴き取れたのは、戦士ちゃんのその一言だけだった。



 ――洞窟から撤退して三十分は立ったろうか。

日は西へと傾き始めていた。

午後2時から3時といった頃か。

車の後部ハッチを開け、そこに腰かけている。

 まだ体には、あまり力が入らない。

戦士ちゃんと僧侶は、先程侵入した洞窟内の構造について

情報をまとめながら二人で作戦を練っていた。

二人の声は、はっきりと聞き取れる。

だが頭がボンヤリして頭に入ってこない。

もっとも彼女達は俺そっちのけで話を進めていたが。


「―よし、決まりだね。勇者、今回、アンタは外れていい。ここで待ってな」

「私と戦士さんで十分対処できると判断しました。

ここで安静になさっていてください」

「……そか……わった……」

 気を付けてねと続けようとしたが、逆流してきた胃液にそれを阻まれた。

俺がゲロを吐く姿を見たか見てないか。

彼女たちは得物を手に、その場を発った。


 情けねえ限りだ。


何が情けないって、失望されて

しばらくセックスお預けをくらうんじゃないかって

そんな事に不安になっている己の思考だ。


 女々しい姿を晒した恥辱と反省よりも、

あの美女達とヤれるかヤれないかという事の方が

俺には大事なのだ。

旅に出る前から何にも変わっていない。

糞みたいな男だ。

なぁ、神様よ。なんで俺が勇者なんだ。

こんなのでいいのかよ。


 自分で自分を罵りつづけ、ボンヤリ何十分も、車の内壁にもたれかかっている。

俺は静かに泣き始めた。涙は出ない、自己嫌悪からくるただの悲嘆だ。

ひとしきり嘆き終えると、多少は気分が良くなった気がして、太陽を見上げた。

日はさらに西へと傾いていた。

彼女達が発ってから未だ三十分程度と思っていたが、一時間は軽く超えているようだった。


 二人は本当に大丈夫だろうか。

 俺にも何かしらできることがないか、応援に行くべきではないか。

 そう思い、車の後部ハッチから出ようとした。


 ヒュンという音と共に、顎の下に冷たい金属の感触が伝わる。


「動くな」

 殺意を感じる低い声と共に、黒いローブを着た男がぐるりと正面に現れる。

「……ハハッ」

 思わず笑ってしまった。

「何がおかしい」

「いや……」

 いかにもネクロマンサーですと言わんばかりの男の出で立ち。

そして絶妙なタイミング。


 映画やドラマで飽くほど見たシーンが今、目の前で自分に対して起こっている。

 だから笑わずにはいられなかった。


「笑うのを止めろ」

 顎下に痛みが走り、体中が凍ったように動きを止めた。

男の短刀の切っ先が、ツプリと僅かに皮膚を突いた。

生暖かい血が少量、首を伝い服の中へと垂れてゆく。

今すぐにでも拭いたい不快感に駆られるが、グッと堪える。


「仲間が使役する『式』達との魔力線が切れた。

お前の連れの女共にやられただろう」

 だが私は死なない。この霊窟も譲るわけにはいかないと男は続ける。

「故に、お前を交渉材料にしよう。ただ、お前のような軟弱そうな男。

あの戦慣れした女達は切り捨てるかもしれん」

「全て見ていたのか……」

「外回りに出していた私の『式』を倒しただろう。

直ぐに抜け穴から外に出て監視していたよ。

お前がダークエルフに担がれ出てきた時には、噴き出しそうになったがな」


 使役者と式の魔力リンク。


戦士ちゃんの予想は当たっていた。

という事は、中の連中はその時点で迎撃態勢を整えていたのだろう。

だが、先程の男の台詞から考えると、彼女たちはその迎撃網を突破したようだ。


「ウチの女達はそんじょそこらの冒険者と訳が違うぞ」

「それは分かっている。奴らは練達者だ。

式達が全滅した以上、我が仲間も血祭りだろう。

だが良い。交渉が済めば私は、あの場所を独占できる」

「うまく事が運んだとしてもだ。俺を返せば、彼女達はお前に飛びかかるだろうよ」

 何を言ってるんだ俺は。

「私が何の用意もしてないと思ったか?軟弱にして浅はかな男よ。

――そのをよこせ」

左手に握っていた金槌を、男へ手渡す。

俺はその裏で、右腿に備えておいた得物をヌルリと引き抜く。

だが、男には見抜かれていた。

「右手の『』もだ」

「ケッ、お見通しかよ……ほらよ」

降参だと言いながら、俺は『』を男に向け差し出した。


複数の発破音が、周囲に木霊す。


男は驚愕したまま、その場へ崩れ落ちた。

』の底に空いた穴からは、かすかに煙が立ち上っていた。

俺はシャツの襟口を引っ張ると、垂れた血を拭き取り、顎の小さな傷口を押さえる。

傷を付けた短刀は、男の腕の中。

「……」

 もう一度、発破音が響く。

男は既に事切れていたが、そんな事は関係ない。

再び俺は後部座席の内壁へもたれ掛った。


 日も沈みかけた頃、得物に血を滴らせた殺戮者達が戻ってきた。

俺の足元を見て、彼女たちは一瞬目を見開く。


「やあ我が従者達、勇者様は死ぬかと思ったよ」

 そう言って右手の拳銃をひらつかせる。

「アタシらの心配は?」

「無論、してたよ。今晩ヤらしてくれるかなぁ~って」


 一方は滑稽そうに、もう一方は呆れたように笑った。

自己嫌悪に沈み切っていた俺に、その笑いは何よりの癒しだった。

「調子のいい弁舌にこの状況。大丈夫そうだね。

勇者、近くの村へ降りよう。死体は、こいつだけでいいかな」

「コレ、もって降りるの?」

「証拠は必要ですからね。

洞窟の入り口まで、仲間の死体も運んできたのですが」

「ああ、そうだった。やっぱ全部持っていこうかね。アンタも手伝いな」

 ネクロマンサー達の死骸を車の屋根に括り付けた頃には月が昇っていた。

俺達は車に乗り込む。

運転席には俺、助手席には戦士ちゃん、そして。


「やりましたね。流石勇者様です」


 後部座席から身を乗り出した僧侶が、俺の頬にキスする。

勇気づけようとしてくれたのか。

「次は、あんな姿見せねえから――いや、次が無い事を祈るけど」

 エンジンがかかる。まばゆいヘッドライトが、目の前を明るく照らし出した。


 近隣の村へ着くと、運よく衛兵が駐屯していた。

駆除したネクロマンサー達の死体を引き渡す。

謝礼は出なかったが、害悪が去ったことに村人達は喜んだ。

しかし、やはり我々も連中と同様に村民には得体の知れない存在である。

寝床は確保できず、車中泊となった。

まあ仕方ない。よそ者を警戒する気持ちは分かる。


 僧侶は後部座席を手慣れた手つきですべて倒すと

その上に車中泊用のマットを敷いた。

三人、川の字になって眠る。普段なら余裕のスペースなのだが

最近は、供給される武器類や僧侶が読み散らかした漫画など

整理されておらず、シート上に置きっ放しだ。

その為、川の字と言うより我らはスーパーで売っている鳥の笹身状態。

要するにギュウギュウ詰めである。


 両サイドからメス共の肉体が俺の寝るスペースを侵す。

 柔らかい、よき匂いだ。


「――即ハメ○ンバー!」


 横転して僧侶の体に掴み掛る。

覆いかぶせた左手が自然と彼女の乳房に吸い寄せられる。


「えッ、ちょッ!」


 しかたがないのである。

溜まっていたからとか、据え膳食わぬはとか、そういう事ではない。

ただどうしようもなく俺と彼女は生物であり、XYオスであり、XXメスなのである。


「つまりこれは生きとし生けるものとして当然の――」

 講釈を垂れながら僧侶の服を脱がしにかかる。

が、彼女の容赦ない掌底が、俺の顔面を突き上げた。


「ブェッ!」

 このクソアマが。こうなったら銃で脅してでも……


「プッ、拒否られてやんの。なぁ、ヤるんなら、アタシとヤろうや」

 頬の鈍痛と揶揄いに苛立つ俺を無視し、戦士ちゃんはビキニを捲り上げた。

ゆさっと揺れる乳房を露にすると、手を下半身へ滑り込ませる。

そして腰をくねらせながら、Tバックを足先へとずらし始めた。


 Oh, yeees.


 そうだ。俺は君がそう言ってくれるのをずっと待っていたんだよ。

完全に性欲の捌け口を戦士ちゃんへ向けた俺は、

既に矛先が変わったのにも関わらず、未だ抵抗するアホの僧侶の上から

戦士ちゃんの膝元へ飛びついた。

 にっこりスマイルで彼女の両肢へ、Tバックへと手を這わせる。

戦士ちゃんもニコニコ笑顔で俺が空けたシートのスペースへとずれ動く。

既に恥部は露呈していたが、俺は下着をずらす作業を彼女から引き継ぐ。

ゆっくりとその両肢を揃え、天井へと持ち上げながらTバックを抜き去った。

天に向かって揃い立つ長い両足の首を握り、パカッとご開帳。


 うひょっ、うへっ。

 たまんねぇなぁ、このオンナはよぉ♥


「タイム・トゥー・○ッ~クス タイム・トゥー・セッ○ス!」

 待ちに待った時が来た。

クスクスと笑う戦士ちゃんは、両肢をオレの体に絡ませガッと引き寄せる。

そして自らの秘部に、魔符をあてがった。

 お札は紫色の光を放ち蜜壺の口に膜を張ってへばりつく。

この膜を突いてイチモツを挿入するのが、中つ国式コンドームである。


 装着感は非常に良い。オカ○トや○ガミ並みにうすうすだ。

高価な品な上、術式を解す者にしか扱えぬ貴重品であるが。

まあ、女所帯の勇者一行なんでね。

その辺は、まぁ♥


 「オラッ、さっさと来なよ」

 「ア○ロ、イッきまーす!」


理性も何もかもぶっ飛んだ俺は、豊満な彼女の肢体へダイブした。

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