第67話 私の答え
「すごく、一生懸命だったよ。みゆちゃん、お姉ちゃんのことよろしくお願いします。って必死になってお願いしてくれた。私がお姉ちゃんを縛りつけてばかりで、お姉ちゃんには負担ばかりかけたし、お姉ちゃんには幸せになって欲しい。って言ってた」
私のために天使(妹)がこう先輩と話したことや、私の幸せを願ってくれたことは素直に嬉しかった。
「そうですか…ごめんなさい、そんなことをこう先輩に言っても迷惑ですよね…」
妹がしたことは私からすれば喜ばしいことだが、こう先輩からしたら迷惑でしかないだろう。
「迷惑なんかじゃないよ。僕なんかがこんなこと言っていいかわからないけど、嬉しかったよ。みゆちゃんが、僕と話してくれたことが…きっと怖かっただろうけど2人で話せたこと、嬉しかった」
こう先輩は本当に優しい人だと、改めて思った。こう先輩は本当に優しい。だから、私はこの人を好きになった。
「みことちゃん、みことちゃんはまだ、僕のことを好き…かな?」
一瞬で、心臓が爆発してしまいそうなくらい、私の心臓の鼓動が早まる。
「約束のこと、今は忘れていいからさ、言ってみて…」
私が黙り込んでいると優しい声でこう先輩が言う。あの日、チューバパートで決めた約束、コンクールが終わるまで、パート内で恋愛について話したりするのはNGという約束…
「ゆめ先輩はさっき破ったし、僕も今から破るから、みことちゃんの答えを聞かせてね」
と言い、こう先輩は深呼吸をする。私の脳裏で、先程のゆめ先輩の最後に約束破るね。と、ごめんね。がリピートされた。あれは…
「みことちゃん、僕のこと好き。って、前に言ってくれてありがとう。パートで話した日からも、みことちゃんの気持ちを考えてた。みゆちゃんと話したり、みことちゃんと関わって、みことちゃんが僕にはもったいないくらい魅力的な子だな。って思う。ゆめ先輩に背中を押されて…覚悟決まったのはごめんだけど、みことちゃん、僕、みことちゃんが好きだ」
その言葉を聞いて、私の思考回路はフリーズした。嬉し過ぎて、その後、何を言ったかは記憶が曖昧だが、私の答えは決まっている。
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