第43話 私と天使(妹)と私の願い




「みゆ、今日はさ……一緒に寝てくれる?」

「もちろんだよ!お姉ちゃんと一緒に寝たい」


天使(妹)が作ってくれた私にとって世界一美味しいカレーライスを食べながら私が妹に尋ねると妹は笑顔で答えてくれる。まあ、こんなこと聞かなくても妹の方から一緒に寝る。と言ってくれるのだが…今日は…私から言いたかった。


「せっかくだから一緒にお風呂とか入ってあげてもいいんだよ」

「……お願い」

「まじか…お姉ちゃんだいぶ傷ついてるね…」

「うん……」


お風呂に入っている時間も寝る時間も、今日は妹から離れたくなかった。妹の側にいたら落ち着けるから…癒されるから……私は、妹を求めた。


こんなんだからシスコンって言われる。辛い時ずっと、妹を求めるから妹離れができない。そんなことわかっている。でも、傷ついた私を癒やしてくれるのは妹だけだ。


私には妹さえいればいい。大好きな、大切な、私の妹さえ側にいてくれれば……


そんな私の願いに応えるように妹は私を優しく抱きしめてくれる。大丈夫だよ。と言いながら優しく抱きしめてくれる。


もう、いっそのこと、妹と2人でずっとここにいようかな…サークル辞めて、妹と2人でここにいて、妹と2人で私のユーフォニアムを吹きあったりしていたい……授業とバイトの時間以外は……もう……


「お姉ちゃん大好き」


夕食を食べて、一緒にお風呂に入って、一緒にゲームして遊んだ後、私の隣でぐっすり眠る妹に布団をかけてあげると妹がお礼を言うように大好き。と言ってくれる。寝言…なのだが、寝言だから妹が本心で言ってくれていると思えて嬉しかった。


「お姉ちゃん、今度、ユーフォ、教えてね。一緒に、合奏、しようね」


寝言…妹の本心を聞いて、涙が溢れる。せっかく妹にできた妹の、この部屋以外の居場所を…私は潰したくない。


「みゆは厳しいなぁ……」


大好き。とか甘えていい。とか言いながら、私に楽はさせてくれない。


妹のために、何より、私のために、まだ、サークルを辞めるわけにはいかない。妹の寝言を聞いて改めて思った。


私は…まだ、諦めたくない。そして、姉として、妹にせっかく出来た居場所を、これからも大切にしたい。


なんだかんだで、私は、あのサークルが好きだ。みんないい人だし、何より楽しい。


ゆめ先輩もこう先輩も、すごくいい人だ。時間は必要…でも、いつか、3人で仲良くパート練習ができる。改めて思った。


3人でパート練習したい。と……


隣で眠る妹を起こさないように頭を撫でながらありがとう。と言うと妹は笑顔を浮かべてくれた。






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