第29話 私と天使(妹)と散歩




天使(妹)と夕食を食べ終えて食器の片付けを終えた後、私は妹と一緒に夜の海辺を散歩する。

妹は楽器吹くようになったとはいえ、明らかに運動不足だし、楽器吹かない日は基本アパートにいるから外の空気に触れさせてあげないと…あとは…個人的に少し痩せたい……


「みゆ、今日は少し寒いから上着ちゃんと持っていきなよ」

「はーい」


春とはいえ、夜の海辺は風が強くて寒い。今日は特に風が強いので、きちんと妹に防寒対策はさせる。妹に風邪はひいて欲しくないしね…


「お姉ちゃん。準備できたよ」

「よし、じゃあ、行こうか」

「うん!」


アパートの部屋を出て部屋の鍵をかけると、妹はすぐに私と手を繋いでくれる。かわいいなぁ……♡


「大丈夫?寒くない?」

「えへへ。寒くなったらお姉ちゃんに温めてもらうから大丈夫だもん」


妹は私に身体をくっつけながら言う。かわいすぎかよ。でも、歩きにくいなぁ……


「大丈夫?疲れてない?」

「全然大丈夫だよ」


30分くらい…だろうか、ずっと歩いて私は少し疲れているのに妹はピンピンしていてめちゃくちゃ元気だ。ずっと引き篭もっているはずなのに…なんで、こんなに体力あるの?え?歳?私、もうすぐ…二十歳だから?え、二十歳の壁がもう来てるの?


「ねー、お姉ちゃん…少しお腹すいた」


歩いていると妹がそう言うのでコンビニに入ることにした。妹に、少しだけだよ。と言っておくが…妹はいきなり…帰ったら一緒に食べようね。とプチシュークリームが何個か入っているデザートを買い物カゴに入れる。ねー、私…少し、ダイエットしたいと思っていたのに……


「あとこれも食べたい。お姉ちゃん大好きだよね?」


………ポテチはあかん。ポテチはダメよ。太るから。私の大好きなうすしお味のポテチを満面の笑みで買い物カゴに入れる天使…もとい、小悪魔(妹)は、他には〜と次の食料を探しに向かう。ダメ。これ以上はダメ。痩せようとして散歩していたのに結果的に太ってしまう。それだけは絶対ダメ。だから、これくらいで勘弁してください。ほんと、お願いですから……


私が妹にこれくらいで許して…と小声で言うと、察した妹は…


「ポテチやめとく?」


と優しい一言をかけてくれたが、その一言がなんとなくだが、きつかった。私のお腹の辺りを見て言いやがったからね。かわいいかわいい妹以外の人間に言われたら容赦なくブチ切れていたと思う。かわいいかわいい妹に怒ることなんてできないので…妹が寝てからゲームでストレス発散しよう。そうしよう。と考えていると…妹にお姉ちゃん、ちょっと怖い。と言われたので、私は咄嗟に笑顔を作りお会計を済ませてアパートに帰る。


結局、シュークリームとポテチを妹と一緒に速攻食べてしまった……太りませんように。





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