第28話 私と天使(妹)と料理




私の天使(妹)は割と…いや、かなり完璧に近い人間だ。事情があって不登校…という点を除けば、成績超優秀(中3で高2の問題集を余裕でこなすレベル)、性格めちゃくちゃ良し、スポーツもやればある程度できてしまい、最近始めた楽器もめちゃくちゃ速いペースで上手くなっていて、掃除洗濯もめちゃくちゃ丁寧にしてくれるし、何よりかわいい。

だが、そんな超完璧人間のような妹にも私より劣っている点が一つある。(人間一つくらい欠点があった方がかわいいよね)私より劣っていると言ってもできないわけではない。おそらく普通の人くらいにはこなすことができる。

だが、妹の唯一の弱点?である料理は私がドヤ顔で妹に教えられる数少ない物事なのだ。


「えへへ。お姉ちゃんに料理教えてもらうの久しぶりだなぁ…」


妹は天使のような笑顔で私に言う。たしかに、最近、妹に料理を教えていなかった。基本、私が料理をする時、妹は勉強か他の家事をしてくれていたから教えられる時間がなかったんだよね。私もバイト前や学校行く前のバタバタした時間に適当に作ることも結構あったし…


「じゃあ、さっそく始めようか」

「うん」


今日、私が妹と作る料理はハンバーグだ。妹に何を作りたいかあらかじめ聞いておいたら、お姉ちゃんが大好きなハンバーグ作りたい。みゆが作ったハンバーグお姉ちゃんに食べさせてあげるんだぁ。と笑顔で答えてくれた。天使かよ…


今日の料理は私が指示を出しながら妹が基本進めていく。私の指示に従い妹はテキパキと料理を進める。私は妹が苦戦していたら助け船を出したりするだけだ。あっという間に下準備が終わったので、妹はハンバーグの形作りを始めた。妹が頑張っているのを見ていると、お姉ちゃん、みゆの分作って。と言ってきたので、私は妹の分のハンバーグを形取る。

あっという間にハンバーグが完成したので、卵スープやサラダを妹と一緒に作って夕食の完成だ。


完成して出来立てのうちに食べようということになったので、さっそく私と妹は夕食にすることにした。私の前には妹が作ってくれたちょっと形が崩れているハンバーグが、妹の前には私の作ったいつも食べているようなハンバーグが置かれている。


「お姉ちゃん、あーん。してあげる」

「ちょっと、みゆ、お姉ちゃん子どもじゃないんだよ」

「いいからいいから」


妹はそう言いながら妹が作ってくれたハンバーグを少し切りとって私の口に運んでくれた。照れるけど…嬉しいよね。妹の作ってくれたハンバーグを妹に食べさせてくれる。至福すぎてやばい……


「美味しい?」

「世界一美味しいよ」

「やった。じゃあ、次、お姉ちゃんが食べさせて」

「はいはい。みゆは甘えん坊さんだね…」


私は妹にハンバーグを食べさせてあげると妹は満面の笑みで美味しい。と言ってくれる。

はぁ…この笑顔、大好きだわぁ……♡





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