2話

ガチでボッチな俺はクラスでは誰とも話さずに自分の席で本を読んでいる。

たまに楓が喋りかけてくるが、それ以外の人とはほとんど誰とも喋ることはない。


入学式の日を風邪で休んでしまい、次の日学校へ行ったらすでにグループができていて、そこからずっと1人だ。


そんな俺だが学校は嫌いじゃない。

何故なら空がいるから。

空もあまり友達がいないらしく、昼食だったり休み時間に必ず会ってる。


だけど授業が退屈なのは変わらないけどな。


◇◇◇◇


全ての授業が終わり、俺は教室を出て空のクラスへ向かった。

俺と空は帰宅部なので、毎日一緒に登下校している。


丁度俺が着くのと同時に、空も教室から出てきた。


「あ、くーちゃん。ごめんね。待たせちゃって」

「いや、丁度今来たとこ」


空は俺のことをくーちゃんと呼ぶ。


「それじゃあ行こうか」


毎回思うんだが、周りは空の可愛さに気づかないのだろうか。

いくら前髪で目が隠れてるからといっても、やっぱり可愛いし綺麗だよな…

まぁ逆に気づかれない方が俺にとっては嬉しいんだが。


「くーちゃん私のことそんなに見てどうしたの?もしかして顔に何かついてる?」


ジッと見過ぎから流石に変に思われた。


「あ、えーと。…そう!空はやっぱ可愛いなって!」

って何言ってんだ俺ー!焦って変な事言っちまった!


「え!?か、可愛い…!?くーちゃんが私のこと可愛いって……えへへ」


俺と空は顔を赤くしながらしばらく黙り込んだ。


空を意識するようになってから、最近は本当に空といると緊張してしまう。








   



空side


くーちゃんが私のこと可愛いって…可愛い…可愛いって…


うれしすぎるよぉ〜



だってくーちゃんは私の親友で、私の好きな人。


他の誰にも渡さない。もちろん楓にも。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る