幕あい Part E ジョーカーだとでも言いたいの?

【485.2】


「私には、あなたが信用に足る人間には見えない。

 この話はなかったことにしましょう」


「まあ待てよ。

 俺を信用するかしないか決めるのは、『天の光』の正体を確認してからでも遅くないはずだ」


「……あなた、何が望みなの?

 私に情報を教えて、何の得が?」


「望み、か……。

 お前さんトランプゲームをやるか?

 内容は何でも……そうだな、ポーカーでいい」


「それが何?」


「お前達はディーラーによって配られている途中の手札。

 その中の1枚足りない出来損ないの『役』だ」


「それで?

 あなた、自分がジョーカーだとでも言いたいの?

 足りない役の1枚になると?」


「違う。

 ……お前やっぱり分かってないな。

 俺はゲームに参加しているわけじゃない。

 俺は『結託するディーラー』だ。

 望むなら、お前の側の手札にジョーカーや足りないカードを配ってやれる」


「…………」


「俺の目的は、強いて言うならお前達に勝たせることだからな。

 勝たねば、望みを達成できねば、ゴミのようにくたばるだけ。

 そんな世の中だと誰よりも知っているのは、他ならぬお前だろ?」


「……それは……」


「強がるな。

 目的の為に世界の全てを利用しろ。

 お前にはそれができる」

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