第107話死闘

「氷炎」


「合成魔法か!」


「バァァァロォォォォ!!!」


「猪が!」


マーリン・ランバースの魔法、そしてオリックス・ランバースの猪野郎の豪腕。こいつらの連係は本当に面倒だな。


「ヒュッ!」


エレメントダガーをマーリンに向けて投擲するが、杖によって弾かれる。だが、ソコヘ右手のデバイスチェーンを使った。


「アンカー射出」


一直線にマーリンへと向かうアンカー。そして、マーリンの腕に直撃した。


「くぅ!」


「お前!」


「クロー射出。イグニッション!」


左手のデバイスチェーンを使いオリックスに向け、射出する。クローの先端部は尖っているから刺さればダメージがあるはず。そして風魔法のイグニッションで速度は秒速60m。これは自然災害レベルの速度だ。弾かれるはずが


「はぁ!」


「嘘だろ!」


大剣が投擲されクローを弾く。


「ハァァァ!」


「く」


ドラゴンダガーと大剣がぶつかり合う。そして見た。かつて我の体を切り裂いた


「ドラゴンキラー(龍殺し)」


「そうだ。15年前、お前の腹を裂いた剣だ!龍の鱗さえ砕き肉を裂く刃。人の体で受ければどうなるかは、わかるだろ!」


「オリックス、いくわ。秘奥魔法深淵。バロ、永遠の闇に沈みなさい」


闇が俺の周囲に広がり、無数の腕が足を、腕を、そして、頭さえも掴んで、闇に引きずり込もうとしてくる。


「下らない。闇なら、光を与えるだけだ。

神法神罰の光」


深淵は光に包まれ、跡形もなく消滅した。強すぎる光の中では、闇は生まれない。その逆もしかりだが、人間と神の差は激しい。


「そんな、深淵が消えた?」


「ドラグーン、厄災は元々神だ。母上が産んだ(造った)存在の中でも最上位の存在。理性さえ有ればこの程度の魔法など」


表面上では効果がない。だが、今の俺には酷い消耗だった。デバイスチェーンだ。俺の力を、魔力をどうやら封じているようだ。そして、今の状態で神法を使った反動か、意識が朦朧とする。


「いくぞ」


「なっ!」


魔力の消費限界が近いため、デバイスチェーンは使えない。吹き飛ばされたエレメントダガーの回収以外に魔力は使えない。


「どうした?大剣が軽いぞ」


「戯れ言を!マーリン!」


「ロックバインド」


「地魔法か!」


物凄い勢いで体の周りに岩が連結されていき、頭が動く程度で身動きが取れない。


「どうした?脱け出してみろ!」


神法の消耗のせいで脱出は絶望的だ。だが、逃げる方法ならある。


「死ね、厄災!」


「ヒートボム」


振り下ろすために近付いてきた時に、岩の拘束具で火属性爆発魔法を使用する。体に岩が刺さりはしたが、拘束は解けた。


「お前!自殺でもするきか!」


「うっ、、!ぐぅぁ!」


腹に刺さった岩を体内から出す。体の自然回復力は高い。魔力も使う必要がない。ただ、肉体の消耗が激しい時は使えない。そして、身体的疲労が溜まる点がデメリットだが。


「ぐぅぅ、、、はぁ、はぁ」


「化物だな」


「バロ、もう眠って。お願い」


「まだ、慈悲を与えるか?くだらんな。俺は死ぬ気で動いている。それは、2手3手先をみる目も必要なのだ」


「何を」


「くぅ、、、」


「マーリン!!!」


「馬鹿だな」


クローだ。デバイスチェーンだ。戻す時間は自由で、魔力の消費はない。


「オリックス、大剣を回収しなかったのが悪いな」


そう、俺はクローでオリックスの大剣を回収した。そして、刃のない方でマーリンを背中から殴った。


「便利だな。デバイスチェーンは。さて、、、オリックス。この大剣はほぉ、面白そう効果を持っているな。レン技術准将の作品の1つか。使われて無いのが可哀想だ」


「何?」


「さて、見せてやるよ。ブーステッドソードの力って奴をな」








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