第104話最強のソルジャー
「ふぅ、催涙ガスの噴射は終了。後はバロと合流するだけだね。でも、鉄騎隊の様子も確認しなくちゃいけない。仕事が山積みだ」
既に作戦行動開始から1時間は経過してると思う。太陽は既に登って民衆も活動し始めている。電撃作戦だったけど、上手く行って良かった。
「すまない、君もソルジャーか?」
人当たりの良い軍人が声をかけてきた。階級章をちらっとだけ見たけど大佐か。中々高いね。
「ソルジャーだけど?なにか、名前も教えてもらっていませんけど」
「すまない。私はディアス・ミュンベルガー大佐だ。ランバース大佐を見なかったか?レン技術准将と共に軍需工場の地下施設に向かったんだが」
あー、、、これもしかしたらバロ寝ちゃったかな?後で謝っておかないと。でも多分
「作戦を忘れてたのは俺だ。すまないディスタ」
って返されるけどね。でも、今はそれよりも
「ディアス大佐、後ろの二人はお仲間かな?少なくとも、仲間じゃないならとても困る方々なのだけど」
「なに?!」
この反応で解った。ディアス大佐の行動が演技なら舞台俳優になれるね。だって、本気で驚いたようにしか見えなかったもの。
「オリックス・ランバース准将に、マーリン・ランバース大佐、、、何故ここに?」
そうか僕達ソルジャーは軍属だからクラスに応じた階級が渡される。って事は僕も大佐なのか、、、マーリン様と同じ?絶対違う。
「ディスタ・マクレインだな。バロを出せ」
「オリックス様、いきなりそれは無いのでは?」
「バロを出せ!」
怒気を含んだその声に一瞬たじろぐ。でも、僕もソルジャーだ。
「オリックス様、何故バロを」
「過去の清算をつけに来た。息子が厄災なら、狩るのは親の役目だ」
オリックス様の目は本気だった。それに引き換え、マーリン様は暗く絶望の瞳をしている。そして
(くっ)
因果が見えた。この頃見えて無かったから、バレタニア街道以来、失ったと思ってたけど、どうやらここが分岐点みたいだ。
「許さない、僕の親友は殺させない。、、、オリックス・ランバース。ここで貴方を仕留める」
「青二才がぁ!」
僕のこの選択がどうなるかはわからない。僕は因果が見える。正確にはその分岐点が。何時も、未来が見えたらと思ったけど因果は未来じゃない。ただ、世界の行く末を描く選択。それが正しいことを祈るだけさ。
「サンダースラッシュ」
「覇王斬」
大剣を双剣のようにしながら覇気を纏い、サンダースラッシュを覇王斬で打ち消される。嫌なのは覇王斬の方は生き残って僕に襲いかかって来たことだ。
「力業だ」
理論は簡単、覇王斬の方が何倍も魔力が圧縮されていただけ。ただ、それだけなのだけれども、威力は桁違いだ。
「エクレールバスター」
「マジックカウンター」
「ちぃ!」
マジックカウンターは文字通り魔法を跳ね返す魔法。最初から展開すればばれるから、当たる寸前で展開したんだ。マーリン・ランバース。噂に違わぬ腕前だと嫌なときに解ったもんだよまったく!そして僕は自分の撃ったエクレールバスターを食らうはめに。回避はしたけど、、、
「終わりだ、若僧」
双大剣が僕の腹を砕いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます