第89話悪魔の子
「バロ・ランバース?!」
「どうするんだよ、1stソルジャーなんて勝てるわけが」
「ええぃ!撃て!撃ち殺せ!逃げる者も同罪だ!」
敵の指揮官は逃げようとする奴も殺すといっているが、いやここは懐柔しよう。
「正規軍の諸君、領軍や方面軍と違うが君達の本質はなんだ。国を守ることだろう?自国の民間人を殺し、栄光を掴むのか、ん?」
「「!!」」
今、何人かが反応したが表情にだす者はいなかった。先程の狼狽が嘘のようだ。
「降参し、降れ。セリエ様の下で大罪人ディーン・ラ・ターシェの罪を共に裁こう 」
「黙れ、黙れ、黙れ!王太子殿下を貴様は!撃て!撃ち殺せ!」
部下も銃を構え俺に向かってトリガーを引く。もう、どうしようもない。懐柔も考えていたが、こいつらは無理だろうな。
弾丸を天世で弾きながら突き進む。
「九重一刀流風の型。疾風」
風の型、火の型と同じ攻撃の型だが常に敵を一撃で仕留める為の型だ。痛みもなく、苦しみさえ感じない。自分が死んだことさえも、理解しないだろう。俺は、指揮官とその直線上にいる三人を疾風で斬った。天世の切れ味も相まって、四人は胴から上半身が離れ離れとなり、崩れ落ちる。この三人は指揮官と同じく、一切反応を示さなかった。懐柔できないのなら、最初に殺すに限る。
「指揮官は死んだ、まだ続けるのか?」
「、、、私が最上位のようだ。我々は降伏する良いな」
「「yes,sir!」」
「まて!僕は降伏な」
降伏しないと抜かす馬鹿を天世で斬る。しかし、アダマンタイトではなく鉄のはずだ。手入れは怠らない様にしないとな。
「他にいるか、死にたい奴から口を開けろ」
正規軍どもは俺の動きを捉える事はできなかった。今までの合計で10人殺したんだ。あと20人位簡単だ。だが、誰も口を開こうとせず、更には武器を地面に棄てる始末だ。俺は皮肉を言いながら、オニキスを開いた。
「ふん、良い頭は持っているのか。此方、バロ・ランバース。バレット将軍、聞こえるか?」
「バロ?援軍関係か?」
「いや、捕虜を20人捕まえた。場所は屋敷前、てか見えるだろ?」
「あぁ、わかった。近衛を1小隊向かわせる。お前は東門方面に向かってくれないか?鉄騎隊が交戦中だ」
「了解した。皆殺しにしてくる」
「おい!」
俺はバレットの怒号を無視し通信を切った。
「領軍及び方面軍の指揮官は前に!」
「「は!」」
「正規軍を回収するために近衛の小隊が来る。選べ、ここを死守するか。別の戦場に向かうか。別の戦場に向かうのなら正規軍どもの両足と肩を撃ち抜けよ。良いな?必ず撃て!」
「「は!」」
最後に念押しをして俺は屋根に飛び写り、東門方面に向かった。
~ある指揮官達の反応
「方面軍はどうするつもりだ?俺達領軍はここを死守する。正規軍どもは体の良い人質にもなるし、肉壁に使えないか?」
「いや、バロ殿の言うとうり両手両足を撃とう。動けず近衛の奴等に任せられる」
「それもそうか。っと、銃を持とうとするなよ。方面軍、俺達が監視してるからそいつらの銃を回収してくれ」
「おう、やるぞお前ら」
「「了解」」
「すまない、領軍と方面軍の指揮官か?」
「おっと、近衛か。こいつらの回収は頼んだぜ、俺達はこのまま西門に行く」
「方面軍も聞いたな?俺達も西門だ。彼処は東門に次ぐ激戦区らしい。お前ら!暴れるぞ!」
「「「オオオオオオ!!!」」」
バレタニア。最強の軍を誇るターシェ王国辺境の地。
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