第26話面倒事を潰す

「ジュリアちゃんにメリエットさん、

改めてこんにちは。どうですか?

近くでお茶でも、ジュリアちゃんもジュース飲もうか。」


「うん!ママ行こ!」


「いえ、、、あの。」


取りあえず、早く場を離れたい一心で現場を離れた。そして向かったのは俺の行きつけ、

アドベンチャーズギルド。飲食店と酒場を兼ねている中々便利な場所だ。


「もぐもぐ」


「頂きます。」


ジュリアちゃんは子供向けのハンバーグランチ、メリエットさんはパン、サラダ、スープのセット。おごりなんだから気にしなくて良いのに。


「さて、ジュリアちゃん。まず、あんな無謀な事をしちゃ駄目だよ。君の無謀な行動でメリエットさんまで死ぬ寸前だった。、、、もし助けて貰えるとか考えてるなら解ってるよね?ジュリアちゃんは頭が良いから。」


どうしてか泣き始めてしまったけど、嫌われてはいないようだ。


「だって、、、だって、、、」


頭を撫でながら泣き止むのをまった。

ずっと怖かった。それを言われ続けたうえに泣いている女の子を余計咎める事はできない。これが、一番したの妹ならふざけるなと言いたいし、セリエなら嘘は止めろと言うところだけれど、、、あー!

これだから女の子の扱いは難しい。


「でも、、、うん。そうだね。ジュリアちゃん、デザートも頼もうか。」


「、、、ぐすん、良いの?怒ってない?」


「ごめんね、流石に言いすぎたよ。

すみません、デザート頼みます。子供向けの。」


「はっ、てめえが食べんのか?」


おちょくってくるお調子者は無視して適当な物を頼む。ウエイトレスの人は子供向けのを直ぐに用意してくれた。


「小さい子は優しくしないとですよ。」


、、、去り際に軽く怒られてしまったが。


「おい!さっきから無視してんじゃ」


虫が騒いでいる、メリエットさんとジュリアちゃんの顔が不快な物に変わっている。

そろそろ手を打つか。


「、、、アドベンチャー。ソルジャーの権限において言う。喋るな、邪魔だ。」


「ふざけるな!ソルジャーが居るわけ、、、は?」


クラス2ndのカードを見せ、アドベンチャーに命令をする。ソルジャーはアドベンチャーの上位存在であり、基本的にアドベンチャーはソルジャーの命令に従う必要がある。例外なのはAランク以上のアドベンチャーだ。

彼等は準ソルジャー、またはソルジャー予備軍と呼ばれアドベンチャーを指揮できる立場にある。


「お前の民間人への態度、体の動き方、そして言動を考えるとCランクが妥当だろう。もう一度言うぞ、クラス2ndのソルジャーとして命令する、喋るな。」


「ふっ!ふざけるな!てめぇみたいなガキがソルジャーなんかに。」


「ふむ、おかしいな。最年少のソルジャーは11歳、クラス3rdだ。現在は19歳でクラス1st。おかしくはないと思うけどね?それに彼はソルジャーきっての実力者。このような前例があるのに認めないと?」


「!」


「まあ、落ち着きなさい。それ以上はここのギルドマスターに直談判せざる得ない。」


男は歯を剥き出し、今にも襲って来そうだ。

、、、簡単だな。襲って着たところを返り討ちにすれば良い。


「!、、、申し訳ありませんでした。」


「何?」


「申し訳ありませんでした。」


「どう考えても敵対しただろ?」


「いや、すまない。酒に酔って正しい判断ができていなかった。民間人やソルジャーの命令に従うのはアドベンチャーとしての義務だ。改めて、すまないな。」


さっきまであった殺意、敵意が微塵も感じられない姿で握手を求めてきた。

敵と味方しか知らない自分にとって、これは始めての体験だった。





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