第22話戻る日常
応接間に入ると名前の通り蒼いドレスを着たマリン、そして一向に似合わないスーツを着たバレットが鎮座していた。
「よお!戻ったってことは依頼は終わらせたのか?」
「殺されてたよ、俺より先に殺した奴がいるらしい。まぁ、敵は多そうだしな。実際、そいつは罠を仕掛けてもいた。俺が伯爵邸から出ようしたら町を沈下させて来やがった。」
ルシエラは俺に抱えられたままだが、睨んできた。、、、全部殺人犯のせいにすれば楽なんだよ。
「唯一の生存者がこのルシエラだ。
本名ルシエラール・アルカサル。
本人曰く、妹に会いに戻ってきて死体を発見したらしい、殺しても良かったんだが妹の敵討ちをするために俺に身体を捧げたよな?」
「まって、こんなところで?!」
ルシエラの返事を遮り、口付けを交わした。
セリエやマリンまでも頬を赤らめているが、
そんなに恥ずかしいことか?
「!!何するんです!人の目の前で!」
「まったく、俺に全てを捧げた女がその程度で喚くなよ。五月蝿いぞ。」
「絶対、絶対貴方は二重人格ですわ!
あの優しい顔がこんな酷い男に変わるはずがありませんもの。」
「なっ、貴女こいつが優しくしたの?
私はされたこと無いのに!」
「、、、うううう」
バレットは目の前で始められた馬鹿騒ぎに呆れて言葉もでないと言ったところかな?
「止めなよ、ここはハーファシー邸。迷惑をかけてはいけないよ。ルシエラ、セリエ。」
「「誰のせいだと!」」
「ほら、ルシエラにはレモンティー、セリエには蜂蜜入りレモンティー。マリンは、、、ミルクティーで良いよね。」
「「「どこから出した!!!」」」
「もう、そこら辺にしてくれ。殿下もよろしいでしょうか?」
「そうね、バレていたようだし。でも、このまま続けましょうか。さて、現状は理解できたわ。依頼は失敗、しかも伯爵本人は既に死んでいる。はぁ、キナ臭くなったわね。」
「セリエ、王女なんだからそんな座り方はいけないよ。」
「、、、ルシエラール、貴女どっちが本当のバロか解る?」
「えっ、殿下が私の名前を!、、、あのランバース様の本心は私にも。」
女性陣達がなにやら話し始めたけど、今はそんな事は良いんだ。
「まず、支度金の返金を致します。ハーファシー辺境伯爵、どうぞ。」
僕はポシェットから宝石類を取り出し、
バレットの前へと出す。エアライダーなど、
かなり出費が嵩むものまで無理して手に入れてくれたんだ。それに、隠し金庫から手に入れた数千万ギルだけでかなりの黒字なんだ。
「どうですか、これ等の物を全て換金すれば支度金を上回る黒字になると思いますが。」
「、、、まぁ、わかった。」
バレットは出された宝石類をすぐにでも鑑定したいようだ。これなら、早めに消えることができるね。
「ありがとうございます。ハーファシー辺境伯爵それでは僕はルシエラと共にお暇させていただきます。ルシエラ、行こうか。」
「はっ、はい。」
僕はルシエラを連れて管理人生活に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます