第20話閑話休題ルシエラールの夜

「終わった。」


「えぇ、終わりですわね。まさか、エアライダーがここで根をあげるなんて。」


「、、、付属品が重かったかのか?」


「死にたいんですの?」


バレタニアへの帰路で最悪な事が起きた。

無理が祟ったエアライダーが動かなくなってしまったんだ。まぁ、仕方ないだろう爆煙の中を突き進み、壁をぶち破り、、、許容値以上の魔力を注ぎ込まれた状態だった。

逆に言えば現在地バレタニアが見える距離、

ここまで持ちこたえただけ素晴らしいだろう。

幸いにもここら辺は春、夜は暖かい。

しかし、火があるに越したことはない。


バレタニアの付近の森からまぁ、モンスターの勢力圏なのだが入り口は比較的安全な為、ルシエラールと共に木材を回収してくる。


「 ルシエラール、ライター持ってるか?」


「貴方にとっての私よイメージ、物凄く知りたくなりましたわ。、、、先程の答ですがNOです。ライターなど持ち歩いてはいません、それに灯りなら魔法を使えばよろしくて?」


「火種レベルは逆に難しい、お前はできると言うのか?」


通常の魔法を火種にしたら折角の木材が全て灰になる。魔法はそれほど協力だ。


「えと、、、ごめんなさい。」


「、、、お前、ホントに身体以外に使えるもの持ってないな。ファイア。」


「なっ!」


「、、、火種レベルでも扱えるようになれ。殺したいんだろ?妹を殺した奴をな。」


赤面して体を震わせているルシエラールを見ていると、ふざけたくなる。


「おい。」


「何を!!んんんん!!!」


ルシエラールの顎に手を添え、同じように口付けをする。


「なっ!一度ならず二度までも!貴方は!」


「俺に身体を捧げることも厭わないいんだろ?まだ、手を出さないだけ有り難く思え。それよりもだ、料理を教えてやる。何も作れないよりかはマシだ。」


「くぅぅぅ!」


文句を言いながらもルシエラールは俺の説明を良く聞いて料理を手伝ってくれた。

このまま行けば、腕は俺を超えるだろう。


夕食を終えれば野営に入る。

ルシエラールは初めての野営に、緊張しているようだった。


「、、、襲いませんわよね?」


訂正、俺にだ。


「、、、襲う、いや無理だな。忘れたか、ここはモンスターの勢力圏付近。見張り役は必要だからな。、、、ほら、寝ろ。明日は早い。」


「お休みなさい。」





私の名はルシエラール・アルカサル。

家族を皆殺しにされた哀れな令嬢ですわ。

、、、なんて、哀しい何て微塵も感じませんでした。両親のやっている事は知っていましたし、自業自得だとも思います。ただ、たった一人の妹をあんな殺され方をしたのが赦せませんでした、誰もいない邸でただ茫然としていました。そんな時、この襲撃者様が現れました。、、、私の初めての相手。私の純潔を奪った相手。

そんな殿方が、今私の頭を撫でています。

良く見なくとも、整った顔付きをして、、、

こんな顔を見ていると、、、!!


「、、、こんな、、、俺と同い年位だな。

普通に生活してほしいが、平民の生活できかね?まったく、、、デカい猫を拾ったもんだ。」


猫?屈辱です!私を猫と、、!!!


「綺麗だ。」


(!!!!)


何時ものふざけた顔で私に口付けをするのではなく、優しく、哀しみを描いた顔で私の唇に口付けをしてきました。


「、、、寝ているのが残念だな。」


彼はそれ以降、焚き火の前へと消えていきました。、、、あり得ませんわ!ここは私を襲う所ではなくて?!途中で私が起き出し、そのまま行為を続けるではなくて?!

、、、私にここまで期待させておきながら彼は、、、!もう!


私は、考えるのをやめてもう寝ました。

えぇ、寝ましたとも。

夜には一切何も有りませんでしたわ!





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