第13話ハーファシー邸
一晩だ。たった一晩しか経っていない。
それなのにバレットに依頼した物が全て揃ったと言われ、馬車に押し込まれた。そして、現在は、、、応接間にてバレットと対談中だ
「バロ、お前が言ったものはこれで良いよな?時限装置、火薬、麻酔剤、エアライダー、アルカサル伯爵邸の見取図、周囲環境のレポート、街路図、下水道図、、、お前、何やる気だよ。この爆薬の量、お前しまえるのか?エアライダーだって手に入れるのに金がかかったし。」
「成功すれば良いんだろ?依頼したんだから準備位手伝え、俺だって金が無いんだ。それにな、俺のには空間を広げる魔法がある。火薬もポシェットに入れられる程広げれば良い。」
「、、、解った。でもな、この爆薬の量だと、、、お前、下水道爆破するきか?」
おや、バレット様はよく解ったな。
普通、下水道は脱出路だと思うだろ?
「出来るとは思わなかったけどな、最初は眠らせて爆破するきだったが気が変わった。街路図と下水道図を見てくれ。ここが、ここ、ここが、ここ。解るか?」
「おいおい、なんだこれ?杜撰にも程がある、この二点に不可が掛かりまくってやがる。二つがぶっ壊れたら町が崩壊する、、、
マジか。」
アルカサルの本拠地はふざけた事に、地下にまるで迷路のように下水道が通っている。そして、とある二本の支柱に不可が集中している。それを爆破すれば、町は一斉に沈む。
「、、、何人死ぬか解ってるのか?町は崩れ、瓦礫に沈む。巻き込まれたら数人じゃすまないぞ。それでも良いのか?」
「第二の手は必要だろ?最初は屋敷の全員を麻酔剤を空気中に散布して眠らせる。そしてアルカサル一家だけを皆殺しだ。」
「何も皆殺しまでは、、、殿下も何か」
「私は彼に全て任せてあります。口出しはしない、そう言う契約です。」
「だから、問題無いって。てかよ、街の人間も奴隷や黒い商売で成り上がった塵芥にも等しい奴等だ。だからな、街一つ消えた所で問題は無い、それにな見せしめって知ってるよな?」
バレットはまだ何か言いたそうな表情をしていたが、セリエに止められて何とも言えないと言った顔をしていた。
「バレット、俺は容赦をしない。昔馴染みが襲われて、襲った奴の親玉を潰すんだ。俺は友達が襲われて容赦をできるほど人ができてないんだ。」
「物は裏庭にある、勝手に持ってけ。」
バレットはそれ以降口を開く事が無かった。
自分自身思うところがあるのだろうか、他人の俺にはわからない。結局、それ以降部屋には重い空気が漂い、居づらくなった俺は裏庭に向かった。
裏庭には俺の依頼した物が分別して置かれていた。衛兵が警備していたが俺が来ると俺に敬礼して持ち場を離れた。俺に渡すよう言われていたのだろう、仕事が早い。
ポシェットの空間を広げ、全ての物が入るようにする。一様言う、空間を広げても時間は止まらない。むしろ、時間を止める事など不可能だ。もしそんな事をできるとしたらたらそいつは神だ。それができる物は本物の神器と呼ばれるだろう。
「今日のうちに乗り合い馬車、探さないとな。」
エアライダーは逃走用だ。移動では目立って使えない、その為今のうちに伯爵領インピオロに向かう準備をしなくちゃいけない。
俺の初仕事、ベクター・アルカサル一家を
殺すために。
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