第11話夕食

魔法の袋、大抵の人はそれを魔袋と言う。

俺も家を出る前、その中にいろんな物を入れていた。因みに俺の魔袋は腰掛けのポシェットタイプだ。これなら移動するときに邪魔にならない。


管理人室に三人が入りきらない為、俺は現在第四棟前で絶賛野営(仮)みたいに調理中だ。


「バロ君、本当に料理出来たのね。お姉さんが手取り足取り教えて上げようと思ったのに。」


思い出した。コノハさんが誰かに似てると思ったの。、、、母さんだ。この態度や口調が本当に瓜二つだ。だからか、俺がこの女性に安らぎを覚えるのは、、、なんてあり得ないな。でも、、、この三人が面白いのは確かだ。


「皆さん、できましたよ。」


「おっ!美味しそうだな。」


「確かに、男性が作ったにしては良い味出してるわね。」


「サクラ、貴女は料理一つできないのに。どうすればそんな口を言えるのかしら?これならバロ君に習った方が良いんじゃない?」


サクラさん、料理できないんだ。以外だな、この中なら料理できそうなのコノハさんとサクラさんに見えるのに。


「料理できるのは私とヤエだけよ。昔はヤエに私が教えてたんだけだ、、、ヤエは凄いのよ。私よりも料理のレパートリーが多くて、、、習うなら一緒にヤエに習う?」


「そうですね、確かに僕も料理のレパートリーは欲しいですし、ヤエさん、教えてもらえませんか?」


「ん?良いぞ、機会があれば教えてやろう。」


「その時はお願いしますね。」


俺は素直にそう返事をしヤエさんも少なからず笑顔を見せてくれた。最初にがさつそうとか思ってすみません。


「いで!」


「駄目よ、そんな事を考えちゃ。」


俺はコノハさんに小突かれて、自分の失態を理解した。、、、口には出してないのに。

女の勘は本当に怖いよ、全く。


「ご馳走様でした。」


「ご馳走様。」


「ご馳走様、旨かったぞ。」


三人はそれぞれに表情を浮かべて感想を述べてくれる。ヤエさんとコノハさんはアドバイスけど、何もいけないサクラさんがハギシリしていた。


「あの、サクラさん。美味しいって言ってくれただけで作った甲斐はあったので、大丈夫ですよ。」


「、、、バロ君、優しいんだね。」


優しい、優しいか。、、、サクラさんに言われたけど、簡単に人を殺せる自分が優しいのだろうか。優しいのは、俺よりも、、いや、

素直に褒め言葉として受け取ろう。


「ありがとうございます、サクラさん。」


「ん、やっぱり子供は笑顔が一番だよ。」


子供じゃないです。と言っても逆に言われるだけだしな。


「子供でも、強いんですよ。」


「ソルジャーだものね。」


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