第8話馬鹿、やらかす
「本当に申し訳ない。」
現在俺は三人の女性に謝罪している。理由は明白だ。さっきの掃除である。
「へぇ、管理人なんだ。へぇ、管理人なら人が居るかも知れないこと、知ってたよね、解らないことは無いよね。」
「、、、おっしゃる通りで。」
その通りだ。 いくらボロと言えど人が住んでいない可能性は少ない。、、、いや、どう考えてもこんなボロに人が居るなんて思わないだろ。バレットもマリンも人が居るなんて言わなかったし!
「ヤエ、落ち着いて。確かに彼が悪いけど」
「サクラ、だって私達を茹で蛸にしようとした」
「そんなのはどうでも良いわ。、、、ねぇ君。あの魔法の精度、かなり高いわよね。何処で覚えたのかお姉さんに教えてくれない?答えてくれるなら、、、」
言い争う二人をおいて一人、俺の後ろに回り込んで耳元で囁く。柔らかな物が背中に辺り、女性らしい匂いに包まれる。安らぎ、体の全てを委ねたくなるような。、、、眠気が
「ちょっと!ソイツを離しなさい。」
眠気に逆らえなくなる寸前、俺に最初に説教をした女性に助けられた。
「アン、良いじゃないヤエ。」
「駄目だ、お前だけは駄目だ!」
「ヤエも落ち着いて。コノハ、駄目よ。貴女の体は大抵の男性に対しては毒です。しかもこんな子供に、、、。」
「でも、この子。普通じゃ無いわよ。触ってみたけど筋肉の着き方、魔力どれをとっても、、、こんな体の持ち主はソルジャーぐらいじゃないかしら?」
「ソルジャー、こんな子供がか?」
「うーん、もしかしたらバレット様の関係者じゃないかしら?ねぇ、君。名前は?」
サクラと呼ばれた女性に声をかけられ、まだぼんやりとする頭を回転させ、返事をする。
「バロ、バロ・ランバース、、、です。」
まずい、まるで母親に抱かれているような安心感まで感じて、、、
「、、、母、さ、、ん」
「誰がお前の母親だ!」
「グッ!」
頭に拳をくらい、俺の意識は覚醒した。
「、、、申し訳ない。女性に対してこんなふざけた事を。」
「いや、良い。こっちも殴って悪かったな。」
「あー!ヤエ、貴方って女は!私が安らぎを与えようと思っていたのに!」
「コノハ、おふざけも大概にしなさい。」
「改めて、自分はバロ。バロ・ランバース。この度、第四棟の管理人としての仕事を承けた。貴女達の考えている通り、ソルジャーだ。ランクは2nd。貴女達は第四棟に住んでいる。そう、解釈して宜しいか?」
「何か急に変わったわね。、、、ってソルジャーなの?15ぐらいよね?」
「確かに15歳になったばかりだが、既にソルジャーには違いない。、、、なる気は無かったけどな。」
「待って、ランバースってあの?」
「少なくとも、両親はソルジャーだ。ランクは1stとextra。」
「やっぱり、ランバース家の長男ね。」
「うん、そんなに凄い奴なのか?」
まて、なんで俺が有名なんだ?確かに貴族のパーティーとかには出席したりしたが、ここまで話題になるはずが。
「えぇ、ランバース家の長男と言ったら残忍、残虐、容赦無し。の三つが」
「おい!待て、それは俺じゃない。親父の事だ。間違えないでほしい。確かに、子供の時は邪魔な貴族に薬を盛ったり、陥れたり、裏で消したりしたが残忍と残虐は違う。」
「バロ君、容赦無しは認めるのね。」
「敵に容赦できるほど、人間できていないので。」
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