第5話街についた。

バレタニアの入り口はまるで砦だった。俺は自分達の入場手続きが済むまで防壁を観察することにした。白く塗られた壁、色で誤魔化しているのだろう。防壁はだんだんと反り返る構造をしている。


「マリン、この防壁なんで反り返ッているんだい?」


「御父様曰く、東洋の武者返しなる物を参考にしたと。」


ほぉ、武者返し。ソルジャーカウンターか。

マリン曰く、東西南北4ヶ所の入り口全てこうなっているらしい。


「次はお前達だ、早くしろ。」


「今行きます。」


「さて、バレタニアにはどのような要件で」


「私の名前はバロ・ランバース。領主令嬢マリン・ハーファシー及びエレナ・ラ・ターシェ第二王女殿下の護衛として雇われた。後ろに繋がれているのは御二人を襲撃した賊だ。背後関係を洗いたい、絶対に殺すなよ。あと領主バレット・ハーファシーにお目通し願いたいのだが?」


「はっ!ランバース様が来るまで必ず生かしておきます。また、お話は承っております。バレット様は屋敷にてお待ちです。屋敷の場所は、、」


「私が説明しますので、皆さんは仕事にお戻り下さい。」


「こっ、これはマリン様。解りました、総員、道を開けよ!」


門兵の号令で直ぐに馬車一台分の間が作られる 。俺は先に馬車に繋がれた五人を門兵に預け、作られた間を抜け、バレットの待つ屋敷へと馬車を走らせた。


「バロ、一度下ろしてくださらない?暇でしょうがないの。」


「セリエ、すまない。屋敷に向かうのが先決だ。」


「、、、わかったわ。ただし、話し相手位にはなりなさい。」



馬車を走らせて10分セリエの話し相手をしながら過ごすとバレットの屋敷に到着した。

俺は馬車を屋敷の護衛に預け、マリンに案内されるまま応接間へと向かった。


「普通、案内なら使用人の仕事じゃないか?それにマリン、お前は貴族の令嬢なんだぞ?ドレスに着替えたりはしないのか?」


「?そんな事するのは王都の貴族ぐらいですよ。ハーファシー家は東西をモンスター生息圏に囲まれ北にはリドリー帝国です。戦いになったとき戦闘指揮をしなくてはいけないのに何故ドレスを着るのですか?」


確かに、貴族は常に前線に立つのを求められる。だが、それを実際に出きるのは何割いるんだろうな。


「そうだ、マリン。少し良いか?」


「はい?」


くくっ、バレットのおっさんの驚く顔が目に浮かぶぜ。


「お父様、セリエ様をお連れしました。」


「入ってくれ。、、、もう一人はどうした?」


「バレット・ハーファシー、動くな。」


「、、、動くなか、しかしサンダー! 」


「ぐぁぁぁぁぁ!」


「甘いぞ、坊主。先に口を封じないとな。」


「ははっ、おっさん。、、、痺れて動けねぇよ。ちっとは手加減してくれよ。」


「ほれ、ヒール。」


「、、、久し振り、おっさん。」


「あぁ、久し振りだな。」





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