第3話朝
次、目が覚めたのは約二時間後だった。
もうすっかり昼になっていて、学校に行く気は少しもなかった。
ただ、ずっと横になっている気もないのでとりあえずベッドから起き上がり、特に目立った特徴もない質素な部屋を出て台所へと向かう。
昼まで寝ていたせいですっかりお腹が空いていた。
台所に着くと躊躇なくいつものように卵サンドを作り始める。朝食はいつもこれだ。今はもう朝食ではなくブランチなんだが、細かいことは気にしない。
慣れた手つきであっという間に作り終え、律儀にリビングのテーブルの上まで持っていく。
一人だけの食卓だがもう慣れている。
自分で作った卵サンドを片手に頬張りながらもう片手でスマホをチェックする。
わざわざ俺が休んだくらいで連絡してくる奴もいないと思うけど。
“新着通知なし”
微妙に期待していた自分もいたような気がするがすぐに無駄だとわかった。
特段気にすることなく、そのままスマホでネットニュースを見始め...ようとしたときスマホの画面上に通知のお知らせが軽快な音とともに表示される。
『どうした?サボりか?珍しいな』
連絡が来たと思ったらサボり扱いだ。実際間違ってはいないけど...
とりあえず拓海に返信する。
『朝起きたらもう10時過ぎてた』
『皆に体調不良だって言っといて』
それだけ送り、朝食ならぬブランチを食べ終え片付け始める。
時計を見るともう昼休みの時間になっていた。
俺はあっという間に片付けを終え、もう一度スマホを確認する。
拓海
『りょーかい、サボりって言っとくわ』
こいつには何言っても無駄らしい。まぁ、冗談だと期待しようと思う。
そのまま返信せずスマホを手に持ったまま自分の部屋に戻る。
クローゼットの中から適当に服を取り出し着替える。
特段オシャレというわけでもないが、普通よりは、と自負している。
着替えが終わり、スマホと財布だけポケットに入れ特に用もないが外に出る。
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