第2話目覚め
いつもは必ず、あのうるさいアラームの音で憂鬱な朝を迎えるのだが今日は違った。
カーテンの隙間から差し込む陽の光によって目が覚め、いつもとは違う優雅な朝を迎えた。
陽の光に照らされ、なんともないただの部屋が神秘的な空間にさえ感じられる。
このまま一生この場所で静かに眠りたい気分だった。
そんなことを思いながら、もう一度眠りにつきそうな体をなんとか動かし机の上に置いてある時計を見る。
———“10時13分”———
時計を見た瞬間、思考が停止する。
そして徐々に焦りが込み上げてくる。完全に遅刻だ。
慌てて起き上がろうとするが、すぐに諦める。
今からどう急いで準備したところで絶対に間に合わない、どころかもう二時間目の最中だ。
「はぁ、まじか...」
一人で静かに絶望のため息を漏らし、もう一度ベッドに横になる。
今まで遅刻欠席したことはほとんどないのに...
そう思いながらも、気持ちはすっかり休みモードに入っていた。
今は家に一人だし誰にも何も言われない。
俺は自分の体に逆らうことなくそのままもう一度眠りについた。
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