プリムラに想いを込めて
Nana
第1話プレゼント
「あ、あのー」
そう控えめに声をかけてくるのは高校生くらいの青年。
今どきの花屋では中々見ないお客さんだ。
「どうしました?」
「花をプレゼントしようと思ってるんですけど、オススメのものってありますか?」
少しあどけない感じで青年が聞いてくる。
「もしかして、彼女さんにですか?」
俺が冗談めかして聞くと、青年は少し照れたように頭を掻きながら頷く。
「はい、プレゼントで花を渡そうと思っていざ来てみたんですけど全然花のこと分からなくて...」
「じゃあ、オススメ紹介しますね。」
俺はそう言い、入り口近くにある色とりどりの花の中から小さな鉢に植えてある1つの花を手に取る。
この花を見つめていると、懐かしさ、寂しさ、悲しさ、いくつもの感情が込み上げてくる。
あの、”青春の恋”。
そして、それを彩った一輪の花。
俺にとって全てが欠かせない、かけがえのない思い出。
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