第66話 BOSS⇐


 ──時は流れ、階級総入れ替えバトル、最終日の前夜。


 俺は今、自室のベッドで仰向けに横たわり、このバトルが始まってから今日までの出来事を順に振り返っていた。


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 DAY1

 平野エリアからスタートした俺は、階級を入れ替える事を条件に、いきなりナツさんと手を組む事になった。初めナツさんの罠に嵌められはしたが、軍曹ら5人を1人で完封。


 その後、ひょんなことからルーフと一騎討ちをすることになるも、それにも新スキルを取得しながら圧勝したのだ。


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 DAY2

 ナツさんとの同盟にルーフが加わり、迎えるはロキさんとジーク、そしてシオンさん。個人の階級入れ替えバトルにも関わらず、この日から本格的なチーム戦になってきた。


 初めは俺達全員がロキさんの完璧な戦略に嵌り、だいぶ劣勢に追い込まれる。しかし、ナツさんとジークの兄弟対決をきっかけに戦況は覆り始めた。そして最後、訓練での俺の成長も幸いして、かろうじてロキさん達に勝利することが出来た。


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 DAY3

 その対戦の勝利後、ナツさんの提案で俺達は一度チームを解散した。団長を倒すという当初の目的をまだ果たせてはいなかったが、誰も文句は言わなかった。なぜなら、二日目にして皆の階級が想像以上に上がってしまい、三人一緒にいることでこれからの日程がつまらなくなるのを恐れたから。そこら辺は皆、やはりゲームプレイヤーである。


 そしてこの日、一人になった俺はグレイ隊長と出会う。中将であった彼は、俺の階級を目にした途端に目の色を変えて無言で俺に襲いかかってきた。


 その時俺が見たのは、彼の完璧なまでの剣術。それはもはや華麗な舞いのようであり、これ以上ない程美しかった。敵わない、俺は心からそう思った。しかし、相手の黒い剣が俺の首を貫く寸前で、その日の終了を知らせるブザーが鳴り響いた。


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 DAY4

 この日、俺はルーフの元へとある提案をしに行った。内容は、一日目の夜にルーフから剣を教えて欲しいと頼まれた件について。そして、河川敷エリアで合流した俺達は、剣の教えを乞うついでに新チームを組む交渉をしようとグレイ隊長を探しに行く。


 その間、他階級の団員に幾度となく攻撃を仕掛けられたが、ロキさん達とのあの対戦を制して以降、俺達の連携はバッチリだった。向かう所敵なし。俺はその時、そんな感覚すら覚えていた。


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 DAY5

 俺達は沢山の戦いを制しながら、ようやく山岳エリアの麓でグレイ隊長と再会する。するとそこには、もう一人俺の知らない綺麗な女性がいた。そして驚くべきことに、普段は無口で冷酷な印象を俺に与えるグレイ隊長が、ぎこちないながらもその彼女に笑顔を向けて話していた。


 後で聞くとその人は『ヤミィ』という名の女性であり、この騎士団の現大佐だそうだ。


 俺とルーフの場違い感は凄かったが、俺達は思い切ってそんなグレイ隊長に交渉しに行くことにした。まるで弟子入りのように頭を下げる二人に、戦闘モードが完全にOFFになっていたグレイ隊長は、いつも通り顔色ひとつ変えず「分かった」とだけ言ってくれた。


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 DAY6

 そんなこんなでまた新チームを結成した俺達。俺とルーフとグレイ隊長。そして何故か、そこには昨日出会ったばかりのヤミィという女性も入っていた。


 新チーム結成の交換条件として俺の階級は今、グレイ隊長と入れ替わっている。俺が狙うのは元帥。前シーズン、ロキさんとナツさんが二人で挑んで適わなかったという俺達の騎士団長カリアス。


 この階級総入れ替えバトルを理解し始めて、強い相手を倒す為にチームを組むことが不可欠だと悟った俺は、多少のリスクを背負ってでもこの剣士グレイを味方にしておきたかった。ただ、俺は今、リスクを背負いすぎた事に気づき、少し後悔もしているのだが……。


 それでも、気持ちは高揚していた。


(いよいよ明日……団長の待つ頂上へ)


 そんな事考えているうちに、俺は眠りへと落ちていたらしい。



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 そして迎えた最終日DAY7


 俺は今から、この騎士団最強の証の座を奪いに行く。








        ……To be continued……

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次回:第67話 TOP⇐

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