第17話 COMBO⇐
俺はチーム戦に胸を躍らせながら、相手の拠点をいち早く奪う作戦を練っていた。
『両チームの
※
一定量のダメージを与えれば、消滅する。
(相手の
「おい、ハク!
(ああ、忘れてた。
そいえば昔、そんな事言ってたな)
◉チュートリアル(※読者様にだけ見えます)
[
・ノーマルモード(普段のモード)
タブレット型の操作性重視のモード。
・ヘッドセットモード
チーム戦や騎士団戦の時に用いる、コミュニケーション重視のモード。
周りの人の声が遮断され、味方とだけコミュニケーションが取れる。
〔すみません、切り替えました〕
〔──ザッ── よし、じゃあ1ついいか?
対戦開始直後、俺が
そしたらお前は
〔え、でも相手が感覚系スキルを選択していた場合は位置がバレて狙われ────〕
〔いや、それは無い。あいつらは移動系スキルのコンビネーションを得意としている。恐らく移動スキルでくるだろう〕
(昔、交流があったレンヤさんがそう言うんだ。間違いはないだろう)
ただ、この拠点争奪形式は移動系には不利だ。まず飛行系に対する対策が出来ないし、守備に移動は必要ない。それに攻撃でどれほど早く移動しても
(一体どんな戦い方で来るんだ?)
『両チーム共、準備はいいですか?
それでは始めます、……
「げつ」
[発動スキル:飛行系★★★──
俺はすぐにスキルを発動し、瞬時に空中へと浮き上がる。そして後は体術で空面を蹴りながら、あちこち飛び回り、レンヤさんからの指示を待っていた。
〔ハク、左だ! 相手の拠点は────〕
ところが、
──ドォォン!
『YOU LOSE』
「……え」
俺は爆音と共に目の前に現れたあまりに早すぎるその表示に思わず足を止めて、誤作動の確認をする為に自分の拠点を振り返る。
しかしそこには、嬉しそうに俺達の拠点の旗を掲げるナツさんの姿があった。
────────◀◁◀◁────────
時は少し遡る。
「ナツ、いくら移動系が好きでも短剣くらいは装備したらどうですか?」
「ははっ、何言ってんだ? ロキ」
ナツはロキの忠告を笑い飛ばし、両手の拳を握って顔の前に構えてみせる。
「はあ……これだから、貴方は」
ロキは呆れたように微笑んだ後、個人設定を終えたハク達の視線を流して、表情を元に戻す。
そして、
「ではナツ、いつも通り参りましょうか。
そのご自慢の身体とやらで速攻奪って来てくださいよ」
「おう、もちろんだ。
あっという間に決めてくるさ」
そして、
「さっきまでの相手の行動を推察すると、座標はこの辺で間違いないと思います。では」
ロキ「ゆう」
[発動スキル:移動系★★★★──
ナツ「ちゃー」
[発動スキル:移動系★★★──
──ピピッ
[コンボスキル:
ナツはそのままハク達の拠点に一人の力ではありえない速度で突っ込んでいく。
そこでナツは、時間差で別のスキルを1つ。
ナツ「ちゃー」
[発動スキル:移動系★──
ナツはさらに加速した。
──ドォォン!
もちろん
しかし、感覚系スキルを使わずとも拠点の位置を当ててしまうロキの洞察力と思考力。
また、
そして、2つの同系統スキルのコンボを瞬時に行えてしまうチーム戦の熟練度。
全てが揃っていないと決して実行出来ないその高度な作戦に、俺はその時、ただただ感服するしか出来無かった。
……To be continued……
────────────────────
次回:第18話 MANUAL⇐
✱最終改稿日:2020/11/01
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