第46話 移植手術を受ける元受刑者たち
秘密基地で死刑が確定していた元受刑者たちが研究所にある手術室の前に集められた。ついに
ホルムアルデヒドの水溶液を希釈した液体を
取り出した脳を素早く
遠隔型戦闘用アンドロイド(E-01H)の改良版である
手術室で担当医が次々に元受刑者の脳を取り出して、
手術室に入ってくる元受刑者の行動は素行が悪くてどこか一般人ではない独特な雰囲気を醸し出していた。手術台に乗る前、乗った後も担当医の助手をしている女性のほうをチラチラ見ながらお尻を触ったり、胸を覗き込もうとする。
今から手術台の上で自分の頭が割られるというのにヘラヘラ笑っている者もいた。
元受刑者Aは世界中がゾンビだらけになった仮想世界に飛ばされ、ひたすら武器を使ってゾンビを倒し続けている。
元受刑者Bはビルの中で黒いスーツを着た男たちと銃を撃ち合っている。
元受刑者Cは地球外生命体と戦っていた。
戦闘シュミレーションゲームで経験を積んでジャックの討伐に行く予定である。
戦闘用アンドロイド(E-01H)の改良はスティーブ博士の設計図通りにエンジニアたちが改良を施した。完成しているアンドロイドの改良なのでそれほど時間はかからなかった。
ジャックはエルサルバトルの街外れの森に潜伏したままである。AI政府が送り込んだ遠隔型戦闘用アンドロイド(E-01H)や偵察機のドローンはことごとく叩き壊されていた。叩き壊したイーワンのボディや武器、偵察機のドローンは川沿いにある洞窟にジャックによって集められ、それらのイーワンのボディはジャックのスペアボディとして大切に保管されていた。偵察機のドローンはジャックの意思で動かせるように改良を施し、AI政府が次にジャックを倒すために刺客を送り込んで来たときに偵察機のドローンを使って、敵の動きを偵察するつもりである。
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