第42話 エージェント
客室には小さな机が1つあり、トイレとバスルームがセットでついている。寝室にはシングルのベッドが並べて置かれているのを見ると、どうやら2人で1つの部屋を使えということらしい。
スティーブ博士「これは困ったなぁ。私は別に構わないが君はひとり部屋のほうがよかったんじゃないのかい?」
オリビア「私は大丈夫です。AI政府の指示どおりに動きます」
スティーブ博士「なるほど、君は何か特別なエージェントである気がしてきたよ」
オリビア「脳外科と電子工学の知識を持った博士が作り出した怪物ジャックの能力を知ることと量産することがAI政府の目的です」
スティーブ博士「はっ!?まさかバレていたとは・・・」(失笑)
スティーブ博士は、ジャックに右足を撃たれた被害者だと偽ったがそんなことはとっくにバレていたようだ。オリビアの率直な回答に得体の知れない怖さを感じるスティーブ博士であった。
オリビア「警察署では、スティーブ博士は電子工学を専攻する博士ということになっています。ジャックが自宅に侵入してきて右足の甲をピストルで撃ち抜いたという話も信じているでしょう。しかし、AI政府はあらゆるネット回線を駆使して人類を監視しているのです。そこから逃れる術はありません」
スティーブ博士「テクノロジーが人類を超えてしまったようだな。進みすぎたテクノロジーが人類を滅ぼすと云った科学者がいたがまさにその通りだ。
しかし、ジャックを倒すことは戦闘用アンドロイド(E-01H)ではムリかもしれんな。私が改良したイーワン(E-01H)には特殊な能力が備わっているし、それを動かしているジャックは元軍人でもエリートだった。
精鋭部隊に所属していたヤツが戦闘用アンドロイドになって復活したんだ。単純な戦闘パターンでしか動かないオモチャとは訳が違うのだよ」
オリビア「この秘密基地で博士の知識を存分に発揮してください。あなたが世界を変えるのです」
スティーブ博士「やれやれ、私は疲れたよ。少しの間、このベッドで寝かせてもらうよ。まさか大地震が起きてから、こんなことになるとは思ってもみなかったよ」
スティーブ博士は車イスから降りるとベッドの上に横になった。オリビアは博士の足元にあった布団をそっと体のほうへ掛けた。
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