第2話 釣りのお話
いかんいかん――。
この2日間、「今日は小説の構成を考えるぞ!」と意気込んでいたものの、ついつい横になってしまい、気づけば夢の中――。
夏の夜空ではぜる花火のように、午後9時をまわる頃になると日中の仕事による疲れが体内でどっとはじける。20代の頃はこんなことはほとんどなかったことを考えると、ほんま、体の衰えを感じる今日この頃。ちょうど今は夢うつつの頭に鞭打って日記を書いているよ。脈絡なくても許してね。
今回は、趣味の紹介の第2弾ということで、「釣り」のことを話そうと思う。
僕が初めて釣りをしたのは小学校5年生の夏休み。同級生だったやんちゃ坊主のなおきに誘われて、近所の堤にブラックバスを釣りに行った。
彼は本当にやんちゃだった――。
今でも鮮明に覚えている彼のやんちゃ具合を物語るエピソードを一つ紹介しておく。
あれは、夏の暑さが徐々に頭をもたげてきた7月の昼下がり。その日はお待ちかねのプール開きの日だった。当時は男子が教室で、女子は家庭科室で着替える決まりになっていた。僕ら男子は着替えもそこそこに早々とプールへ向かい、1秒も無駄にすまいと全力で泳いだ。そして授業終わりの着替えの時に事件は起こった――。
着替えていると突然、パンツを脱ぎさってフリチ〇スタイルになったなおきが
「いえ―――い!」
と陽気な声をあげながら、クラス1のマドンナだったさきこちゃんの机の角にお尻をこすりつけはじめたのだ。ヒグマは体をこすりつけることで、なわばりを主張するらしいが、それと似た行動だろうか。とにもかくにもなおきは、マーキングするかのごとくお尻を小刻みに動かしていた。
ち〇ち〇とか、う〇ことか言うだけで爆笑するようなクソガキたちだ。なおきの一連の行動をみていた誰もが爆笑していた。もちろん僕も例にもれず。誰よりも笑っていたかもしれない。
その後、なおきのマーキング行動がどこをどう通ったか、さきこちゃん本人の耳にに届き、後日呼び出されて右手の跡が残るほどのビンタをされたらしい(本人談)。マドンナのビンタなんてご褒美だろ!とかって突っ込んだっけな―。
ちょっと長くなったけど、そんな茶目っ気たっぷりのなおきに釣りを教えてもらった。1㎜も釣りに関する知識がない自分に、ルアーのつけ方からキャストのしかたを手取り足取りおしえてくれた。
その甲斐あってか、4、5回目にキャストしてルアーを巻いていると――
ガツンッ!
という強烈なひきとともに竿先が水面に向かってぐいぐい引っ張られた。
「落ち着いてリールを巻けばいいべ!」
というなおきのアドバイス通りにゆっくり丁寧にリールを巻いていると・・・・
水面をザバッと割って、初めて見る魚が姿を現した。
「これがブラックバスか――」
生で見たブラックバスは、陽光をうけてうろこの1つ1つが分かるほどキラキラ輝いていた。
こっからはもう早かった。初めての釣りで童貞喪失をした僕は、どっぷりとこの趣味にのめり込んでいった。以来今日に至るまでの19年間釣りをしてきた。ほんま、道具にいくらつぎこんだかわからない。数十万は余裕でいってるよ。
ブラックバス釣り⇒渓流釣り⇒管理釣り場をへて、今は防波堤でのアジング、メバリングをすることが多いかな。
釣り人はこんな風にいろいろな釣りを経験している人が多いと思う。そして最終的に、みんながある釣りにいきつくっていうお話を聞いた時がある。
それは、「へらぶな釣り」
僕はどうかって?
正直めっちゃ興味ある今日この頃。
ちなみに、やんちゃ坊主だったなおきもバリバリ釣りを続けてます。さすがにマーキングはしてないみたいだけど。
おわり。
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