第3話
あれからたった1日で日本は世界中から注目を浴びて朝からどこのチャンネルでも【奇跡の光】の話がニュースで話題になっている。
どの番組もあの光が爆発事故でもなく、あの光の瀑布と同時に軽症、重症問わず体の部位欠損治癒、昏睡状態の回復など目に見える数多くの奇跡体験者の話と合わせ関連性を喧々囂々(けんけんごうごう)と議論され、科学者やら医者やらも出てコメントだして、精密検査しなければまだわからないが、他の内臓疾患患者だけでなく付き添いの家族や見舞い客、医師や看護師たちの古傷や肩凝り、腰痛なども治ったことも含め、コメンテーターが、キリスト教も奇跡認定の審議にのりだすだろうとか、【奇跡の光】にあやかりたいと、難病の患者やその家族が、インタビューを受けて日本へ行きたいという外国人家族によるお涙ちょうだいな話があった。
なぜ外国人なのかは、外国からの日本のこのニュースに対しての反応みたさに、こういったわざとらしい視聴者を集めるようなやり方の番組は嫌悪感があるが、実際問題、この家族は金銭的な困難があり、今すぐには来日が難しいと両親の苦渋の本気の表情を見た。
男の子の鼻や首の管が痛々しい。
「『神よ。奇跡をこの子にも』」
日本語のテロップが表示されたが、言語理解の魔法のおかげか、普通に聞き取れた。
今日は母さんは仕事が休みで家にいる。
明日は月曜日。俺は学校。
どうしても回復魔法は意識しても眩しく光ってしまうから、母さんに見つからないように隙を見て、今日中に世界地図で、やろう。
こうしてる間にも亡くなる人がいる。
──昼になり、母さんが作ってくれたワカメうどんを昼飯に母さんと一緒に食べながら観たニュース。
『今度は日本だけでなく世界各地で【奇跡の光】が!【奇跡の光】が発現しました!
狂喜乱舞状態です!!
神の奇跡にみな道に出て涙を流し、感謝の祈りを空にむけて捧げていますッ!!』
「すごいわねぇ・・・・」
母さんがテレビにくぎづけだ。
「そうだね・・・」
(あごだし美味いな)
『ここでニュース速報です!
世界各地に点在する各諸国の核施設、及び実験施設、研究所が同時刻!同時刻に光に包まれ!人以外が全て消失したとのニュースが飛び込みましたッ!!!
詳しい情報は現地の報道記者からお伝えしますッ!!!
これは大変なニュースですッ!!いったい地球規模で何が起こっているのでしょうか!!』
「あら。核施設がなくなったって。ほんとかしら?」
母さんがキョトンとしてる。
「そうだったらスゴイね。神様もちゃんと見てた、ってことじゃね?」
俺はしれっっとそう言った。
(天かすいっぱい入ってウマ♪
なんとかミサイル基地や実験場、核施設も調べて更地にしてやって無効化できたし、明日は地球温暖化の回復をどうやるか。小さな島の消滅を防がなきゃな)
最近のグーグ○先生はマジで便利。
EARTHと併用して調べればすぐ核施設なんて画像でるし。
それでも取りこぼしはあっから、限界だし、
魔法ならイメージで関連づけて世界地図に表示させ、全世界規模の地下含む全ての軍事施設を更地にできた。
テロ集団のもだ。
自衛隊施設は、まぁ手をだせない。
貧困国への海外派遣があっからな。
外国のそういった施設は逆に支援が必要だ。
井戸を掘ったりすんのは俺なら簡単にできるだろうし。
「ごちそうさまー」
食べた丼茶碗と箸を流しへ運ぶ。
母さんも食べ終えたタイミングで、俺は母さんのもさげ、洗い物をはじめる。
「ありがと」
「いぃーえー♪」
ニシシ♪と笑いながら洗いつつ、背中で応じる。
こんな時間が幸せを感じる。
母さんとの時間が、すげえ大事だ。
「最近学校はどう?部活休みなのって久しぶりよね?友達と遊ぶ約束はしなかったの?」
母さんは自分でお茶をいれながら訊いてきた。
「あー、特に誰とも約束してねー」
「・・・・・・まさかぼっ(笑)「ちげーし!」」
思わず強く言い返しちまった(笑)
お互いに笑う。
ちゃんと幼稚園から家族ぐるみで仲良しの幼なじみのダチたちがいるのを知ってるから、明るい。
まぁ高校生になってからは、同クラのヤツもいるから絡むけど、みんなバラバラの部活だし、部活休みが合わない時もある。
ラインのやりとりやライン電話は夜にめんどくせーくらいバシバシやるけど。
「あ!そうだ母さん、三者面談の希望日出してたろ。
決まったから後でプリント渡す」
「ちょ、あんたねー!早く渡しなさいよ、そういうの!」
「ごめん、ごめん」
食器乾燥機に食器を置き終え、手を拭きながら振り返り苦笑しつつ謝った。
(俺だって今思い出して、ギャーだわ)
「だけどめずらしいわね。あんたが忘れて早目に渡さないなんて」
そりゃそうだ。いつもは母さんに仕事のシフト面でも迷惑かけないよう、学校からもらったプリントはすぐ渡してたしな。
(いろいろあったから頭から抜けてたんだよ。ゲェーだな)
その夜は予習復習の勉強?といえるのかを1時までやった。
明日は学校だ。
そう思って開いた教科書や参考書を見ただけで簡単に理解できてしまったことに驚きをかくせなくて、調子にのって部屋の中にある辞書や雑誌なんかも速読し、グーグ○先生でいろんな大学の過去問まで見て理解できた。
魔法だけじゃなく、俺の脳はいったいどうなっちまったのか・・・。
明日、学校でチートなことになっちまうぜぃ♪なんて中ニ病みたいにわくわくしながら眠りについた。
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