Day23

2025/8/1誤字修正

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朝だよー。


身支度整えたら、まず、ぷすり。

やっぱ増えてるわー。

この調子だと、ダンジョン内では湧いてない可能性が高いね。

まあ、奥の小広間だけしか湧かないんならだけどね。


観察室のお花ちゃんはやっと枯れ始めたけど、茎や葉っぱは元気なまま。

雑草は…いつも通り逞しいな。

薬草ちゃんは元気に育ってます。

これ、ホントに薬草畑作ろう。

とりあえず、小さな部屋で試験的に。

照明は、水晶ランタン使っちゃえ。

観察室が少し大きくなったようなもんだ。

3m四方ほどの小部屋作って薬草ちゃんを移動しました。

株別れ出来るように、プランターに植え替えて、腐葉土入れときました。


お昼前、滝の前に立って悩んでます。

せっせとレンガ作り進めると、崖上との段差が広がっちゃうよね。

ソード君、昨日ぎりぎりだったし。

しばらくはソード君のレンガ作り程度にしておこう。


でも、相変わらず水出てるんだよね。

雪、もう完全に無いよ。

村に行く途中にある雪解け時だけの小川も、そろそろ水無いよ。

わからんなー。


…ねえ、今気づいたんだけど、水量あるならお風呂と水洗トイレは作っていいんじゃない?

新しいおうち出来るまでは、何となくだめだと思ってたけど――

水→有る

バスタブ→粘土と魔法で作れる

燃料→魔法で沸かせる

水洗用タンク→粘土と魔法で作れる

洋式便器→粘土と魔法で作れる

浄化システム→奴らがいる

上水配管→粘土と魔法で作れる

下水配管→食料庫入口横の崖にくっつけて作れば地下下水利用可

崖の雪庇対策→片流れの屋根付ければ解決

建築資材→レンガいっぱいある

おお!作れるじゃん!


よし、早速設計しよう。

お風呂2畳、脱衣所1畳、トイレ1畳…四畳半だ!

3mx3mでいける。

高さは、崖側4m、反対側2mなら、片流れで雪も落ちる。

俄然やる気になって設計図書いてたら、ソード君来た。


およ?もうそんな時間?

恒例のお昼して、スライムぷすって崖上へ。

ソード君、今日は崖に届いた。

パルクールも昨日より滑らかになってる。

上達早いね。


さてさて、岩山ダンジョン内、スライムは1匹もいません。

やはり最奥の小広間だけにスライムが湧くようです。

その小広間も水晶ランタンが点いてるだけです。


「お嬢の嫌がらせ、すげー効果だな。これならダンジョン止めることも出来るんじゃないか?」

「あー、それは危ない気がするんだよね」

「え、なんで?」

「前回のスタンピードはダンジョン封鎖して起きたんだよね。周辺に散ったのも入れれば、500匹以上ダンジョンで湧いたことになるの。外に出れずにね」

「ああ、そうだな。それで?」

「スライムでいっぱいになって、湧くことが出来なくなったからスタンピードしたってことはない?」

「…否定できねえな。そう仮定すると、どうなるんだ?」

「わかんない。でも、前回は封鎖を突破することで湧きを復活させたとすれば、水晶ランタン取り込んで、強制的に湧きを復活させるか、下手すればダンジョンが拡大して他で湧くようにするか…」

「その場合、出てくるのは…」

「多分スタンピード状態のスライム」

「そっちの方がまずいな。その仮説が正しければ、地道に討伐してた方が安全性は高いな」

「うん、だから水晶ランタンは身を守るための道具と考えた方がいいと思う」

「おっと、忘れるとこだった。返事、来たぞ」

「え!どうだった!?」


ソード君の話によると、手紙の相手はなんと王子様だって。

なんでも王太子の庶子で、認知される前に市井で暮らしてた王子様と友達になってたんだって。

で、その王子様、庶子だけど王子様だから何らかの役職に就けないといけないらしく、就いた仕事が魔学研究所所長。

魔法や魔物、不思議現象に関する研究部門のトップらしい。

凄い伝手だった。


手紙で色々伏せたまま、水晶を核の粉に近づけろと指示したそうな。

危ないな!何かあったらどうすんのよ!

まあ、済んじゃったことだけどさ。


返事では、情報の出所を言わなかったために発見者と勘違いされたが、大発見と持てはやされたことで、王様から妖精の杖の分解許可を褒美にいただいたんだと。

分解したら、確かに上部は水晶で、下部の杖の空洞に核の粉を入れたら常時点灯。

研究用に飼育してたスライムの反応も、光の具合も同じだったので、王様に杖と同じように水晶に魔力を送ってもらったら、杖同様に点灯したそうな。

ただし、磨いた水晶では効果は薄いと書いてあったんだって。


すごいよ!そこまで確認してくれたんだ。

今の技術水準ではこれ以上の確認はできないね。

王都の研究所で確認されたのなら、そのうち商品化されるよね。

これで水晶ランタンがみんなの役に立つよ。

私も使っちゃおう。


懸案事項の一つが解消したことでニマニマしてたら、ソード君が頼み事してきた。

何々?ここまで協力してくれたソード君の頼みなら、当然聞くよ。


「実は、王様から今回の発見の経緯を聞かれて、俺の名前を出しちゃったらしいんだ」

「ご、ごめん。迷惑かかるよね。どうしよう…」

「あー、違うぞ。頼みたいのは、今回の発見は俺と王子様の共同研究の結果ってことにしたいんだ」

「は?それは私にとって願っても無い事なんだけど、ソード君にメリットあるの?」

「ああ、王子様、庶子だから立場が微妙でさ。この実績で立場が確立できそうなんだよ。俺も以前から何とか出来ねえかと思ってたから、ちょうどいいんだ」

「ソード君のそういうところは美徳だと思うけど、ちゃんと自分の幸せも考えてね」

「なんだそりゃ?俺は自分が気に入った奴しか応援しねえぞ。それが俺のポリシーだ」


うわー、男前発言きたー。


ダンジョンの確認も終わったので、小屋に戻ります。

途中で薬草3つ見つけたので、即席プランター作ってお持ち帰りです。

森じゃなくても薬草あったよ。

やっぱりダンジョンの影響なんだね。

薬草ちゃんを試験畑に収納して、ちょっと水晶採ります。

だって、安全そうだと分かったら、色々作りたいよね。

ソード君にも気に入ったのをいくつか取ってもらいました。

共同研究者なんでしょ。

少しは持ってなきゃ。

今晩にはランタンも作っとくから、また持って行ってね。

ソード君は素振りに入るみたいだけど、どうかした?


「なあ、お嬢、相手の体勢の崩し方ってしらねえ?」

「うーん、ソード君が知ってるのはあるの?」

「相手の剣を受け止めて、競り合いながら押し切る」

「あー、体格勝負みたいだね」


自分の木剣持って、実剣のソード君と正対します。


「以前の振り方で、私を攻撃してみて」

「えーっと、こんな感じだったか?」

ソード君、若干悩みながらも右手上段から振り下ろしてくる。

カーン

私は、ソード君が振り下ろしかけた剣の鍔元を、木剣の先、剣の腹で外側に叩いただけ。


「うおっ!」


ソード君は、体重を乗せた剣が横に逸らされ、剣で地面を叩きそうになってる。

私の木剣は、切っ先がソード君の首元に。


「今のは、ソード君の剣の腹を、私の剣の腹で横に叩いただけだよ。

こんなんでいい?」

「ああ、すげえ。剣が押されたと思ったら、お嬢の切っ先が目の前に来てた」

「私の剣は、ソード君の剣の腹、鍔元に当ててその場所においてただけ。ソード君の体勢が崩れて前のめりになったから、私の切っ先に突っ込んできたんだよ。」

「鍔元の理由は?」

「遅くて当てやすいし、相手の重心近くの方が態勢崩しやすいから」

「腹同士を当てたのは?」

「こちらの体制的に刃より当てやすいし、刃も傷まないでしょ。上段正面だったら峰を使って流してたよ」

「そうか、受けるんじゃなくて流すのか。でも、お嬢、対人技なんてなんで知ってんの?」

「これ、複数スライム相手の槍技の応用だよ。同時に左前方と右前方から飛び掛かられたら、片方を突いた後、懐に入られそうなもう片方を槍の柄で横に押して軌道をかえるの」

「流す、軌道を変えるか…」


なんかぶつぶつ言いながら素振り始めた。


では、ソード君が素振りする横で、私はレンガ小屋作りです。

まずは整地して、下水管作りです。

下水縦管まで5mくらいなので、楽勝です。

ごめんなさい。嘘言いました。

へっぽこ測量なので、たった5mなのに少しずれました。

例の奴ら、しぶといです。

何にも与えてないのに。

試しに小枝放り込んだら吸収してました。

こいつら、有機物なら何でも食うな。

バクテリアか!


まあ、気を取り直して作業に戻ります。

次は整地した地面に細めのU字溝掘って、先ほどの下水管に接続。

一応、水を流して傾斜だけ確認します。

水平器もへっぽこだからね。

うん、うまくいったね。

じゃあ、U字溝と下水管をレンガ繋げて蓋します。

排水溝用に縦に管つけて、あ、ソード君、素振り終わったの?


「なあ、いまいち流し方がわかんねえんだけど」

「えーっと、剣振ってる途中で手を横に押されたら?」

「ああ!それを相手にやるのか!…あれ?じゃあ、こっちも鍔元で押した方が楽じゃねえか?」

「それじゃあ相手の切っ先届いて切られちゃうでしょ!こっちの切っ先の速さで補うのよ」

「…ん?速さがあると補えんの?」

「同じ体格の人が向かい合って押し合いしたら?」

「そりゃ、拮抗するだろ」

「じゃあ、片方が助走つけてぶつかったら?」

「おお!早い方が力が強いのか!…でも、一人じゃ練習できなくね?」

「木に太い薪でも吊るして薪と同じ位置に立って、薪を振れば?ロープの長さ調整すれば、上中下段練習できるじゃない」

「おお!屋敷に丁度いい木があるからやってみよう。じゃあ、手伝うぞ。何作ってんだ?」

「トイレとお風呂」

「何!?風呂だと!?」

「どったの?大声出して」

「いや、例のダチんとこにあって、たまに入らせてもらうんだけど、すげー気に入ってさ。こっち来て父上に頼んだんだけど、水汲み大変だし薪がもったいないからって作ってもらえなかった」

「だよね、すごい贅沢品だもん。でも、ここだと近くに滝あるし、私、魔法でお湯沸かせるから作ろうと思って」

「手伝うから入らせてくれ!」

「いいけど、すぐには出来ないよ」

「おう!完成したらでいいから!」


うわ、めっちゃ乗り気だ。

騎士様に頼んじゃうくらい好きなんだね。

完成したら入っていいよー。

じゃあ、整地部分にレンガ積んで基礎作ろう。

浴槽の下はちゃんと補強してから、床作りです。


「なあ、その鉄板は?」

「中央に小さな暖炉作るから、その底になるの」

「でかくね?」

「うん、床下に張り出して、床下を暖めるの」

「そんなこと出来んのか?」

「試作だよ。どの程度効果あるか分かんない」

「…暖炉の背中、浴室側に出てないか?」

「サウナも出来るように、背中に鉄板付けて、そこに水掛けるの」

「…それも?」

「うん、試作」

「うまくいくといいな」

「うん」


床を張り終わったところでソード君は帰宅だね。

私もスライムぷすったら一旦休憩です。


便器とバスタブ作んなきゃなあ…どんなのにするかなあ。

便器は水張りたいから、S字を横に倒したような構造にすればいいよね。

バスタブは…猫足バスタブ作ろう!

じゃあ、排水対策にお風呂の床は少し傾斜強めだね。

シャワーは…くっ、水しか出ないよ!

でも、一応付けるか。固定式で。

上水道の配管は………。

まずいな、トイレとお風呂で最低2つ、シャワーも入れたら3つバルブ要るよね。

ランタンと違って水流すから、鉄だとすぐ錆びちゃう。

青銅か黄銅要るよね。

どうしよう…。


明日、午前中に鍛冶屋さん行ってみよう。

あ、水晶ランタン作らなきゃ。

夕食を挟んで、色んな種類の水晶照明作ってたら遅くなった。


おやすみなさい。

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