Day21
朝ですよー。
朝食摂ったら、まずは薬草ちゃん見に行きます。
わー、しおれてるよー。
私の予想では、水晶ランタンから不思議物質出てて、薬草も元気に育つはずだったのに…。
枯れるとまずいから洞窟内の観察室に戻しておこう。
元気になるかな?
でも、こうなると、洞窟内で育った理由がわからん。
外の観察箱は、太陽光が入らないように密閉したのがいけなかった?
洞窟内の観察室は、空気の入れ替えの為にスリット入れてあるからね。
よし、薬草採って来て、外の観察箱、洞窟内に置いてみよう。
整地は後回しにして、ちょっとお出かけです。
整地より薬草優先だよ。
だって、薬草を小屋近くで栽培出来たら、もっと高品質なポーション出来るからね。
ダッシュで近くの森へ行って、薬草を植木鉢に詰めてきました。
どうせなら観察室の隣に、密閉タイプの観察室作って比較しようと思って、植木鉢は二つです。
どうなるかな?
さあ、今日も整地しよう。
せっせとレンガ造りしてたけど、今日はお昼に村に行かなきゃいけないので、途中終了です。
自宅の荷物、処分しなきゃいけないんだよね。
この近辺では、誰かが亡くなって荷物を処分する場合は、近所の人や親しかった人に形見として分けるんだよね。
そろそろやらないと、明け渡し期限、来ちゃうからね。
では、身支度して村へGoです。
はい、せっせと歩いて自宅に到着しました。
あれ?隊長さんや兵士さんたちに混じってソード君がいる。
珍しい組み合わせだね。
「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「おう、来たか嬢ちゃん。元気そうで何よりだ」
隊長さんが代表して話してるけど、兵士のみんなも頷いてるね。
「みんなお仕事どうしたの?」
「非番の奴らが勝手に集まって来たんだ。さぼってないから安心しろ」
あー、私、辺境人ほいほいだったっけ。
「みんな、ありがとう。父ちゃんと母ちゃんのお墓も作ってくれて、本当に感謝してます」
深々とお辞儀。
いくらほいほいでも、きちんとお礼は言わなきゃね。
「気にするな。俺たちがしたかったからそうしただけだ」
またも頷く兵士さん一同。
「でも、ちゃんとお墓参り出来たから、嬉しかったの」
「そうか。…行けるようになったか」
「うん。両親にはずいぶん待たせちゃったけどね」
「いや、あいつらなら、ただただ喜んでるだろう。それで、荷物の事なんだが、坊ちゃんから話があるらしいぞ」
隊長さんがソード君を見やると、ソード君が前に出てきた。
なんぞ?
「なあ、お嬢。ご両親の家具、俺に引き取らせてくれないか?」
「え?どうすんの?」
「家、完成したら持ってくってのはどうだ?」
「…でも、結構先になるよ。資金、全然貯まってないし」
「父上も了承してくれたから、大丈夫だぞ。掃除もして傷まないようにするし」
「でも、そこまで甘えるのは…」
「俺、タダでいろんなこと教えてもらってるだろ。父上も感謝してて礼金を出すとか言ってたんだけど、辺境の習わしだからって言って止めたんだよ。だから、せめてお金の掛からないことで恩返しさせて欲しいんだ」
「………ほんとにいいの?」
「ああ、大切にするから任せてくれ」
「あ、ありがとう…」
ソード君、君、男前だねぇ。
「話がまとまったんなら、運ぶか。嬢ちゃん、指示してくれ」
みんなでぞろぞろ自宅に入りました。
一瞬、胸がきゅってしたけど、周りにみんながいるから大丈夫だった。
いや、ソード君、ベッドとか窯まで持ってこうとしないで。
死者の寝床は、向こうでも安眠できるように燃やすんだよ。
窯なんて備え付けだから残してくんだよ。
あ、服やお酒もみんなに分けるんだから、持ってっちゃだめだよ。
なんでも持っていこうとするソード君にちょっと困りながらも、荷物整理終了です。
物が無くなってがらんとした室内を眺め、しっかり頭を下げました。
今までありがとう。
また、にぎやかな家族を迎えてね。
いくつもの荷車を引く兵士さんたち。
私も付いて行こうとしたら止められた。
小屋に持ってこうと思った食器類も、兵士さんが仕事のついでに届けてくれるって言われて、取り上げられちゃった。
「こういうのは男の仕事だ。それに嬢ちゃんは、代官屋敷の中でも坊ちゃんにいつもの調子で話すだろ。さすがにまずいからここまでにしておけ」
むー、わたし力強いのに。
まあ、話し方は地が出る可能性大だけど…。
仕方がないので、ここでお別れです。
手伝ってくれたみんなに、ポーション配ってお礼しました。
みんなありがとー。
帰りに雑貨屋さん寄ったら、3WAYバッグ届いてた。
おお!これで籠背負った農村少女から、女学生に変身だね。
四角でほんの少し縦長。皮色は明るめの茶色。厚めのガ〇ンリュックみたい。
両サイドにもかぶせ付きポケット付いてるよ。
可愛くて便利そう。
にまー。頬緩むー。
思わず雑貨屋さんで、予備の水筒とかタオルとか買って、入れちゃいました。
早速背負って戻ります♪
今日は結構遅くなったな。
小屋付近に来たら結構暗いや。
あ、だから同行断られたのか。
みんな優しいなー。
3WAYバッグちゃんに森用装備品詰め替えてて気づいた。
このバッグ、森に持っていきたくないな。
絶対キズ付くよね。
うん、村へのお出かけ用にしよう。
今まで使ってたショルダーバッグに腰ベルト付けて腰の裏に回せば、剣も抜けるよね。
洞窟にスライムぷすりに行って、スリットがある方の観察室の薬草見たら、だいぶ元気になってた。
回復早いよね。半日だよ。
密閉した方は開けるの止めとこう。頻繁に開け閉めしたら、スリット有るのと大差ない条件になっちゃうよね。
洞窟出たらあたりは真っ暗です。
かろうじて小屋の明かりが窓から漏れてるだけ。
レベルアップの影響か、目も良くなってるから見えるけどね。
小屋の明かりも、もう少し明るくしたいなー。
夕食は、帰りに買った串焼きお肉をはずして、野菜と一緒にパンにはさみました。
もうちょっと柔らかいパンも欲しいな。
酵母作る?
でも、パン焼き窯要るし、最近、色んなことに手を広げすぎてる気がするから、暇になったら考えよう。
では、おやすみなさい。
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