Day20

朝だよー。


パンを半分だけ食べて、今日も活動開始です。

まずは洞窟の植物観察。

雑草や花は変わりなく元気…花も咲いてる期間、長くない?

薬草が元気に育ってます。

…なして?

いや、私の予想ではしおれてるはずなのよ。

だって、以前薬草栽培しようとして崖近くに移植したものは、ことごとく枯れちゃったんだもん。

やっぱり水晶ランタンって、何か出てるの?

以前の失敗と違うところは、洞窟内と水晶ランタン。

よし、洞窟の外に土で箱作って、水晶ランタンと一緒に入れておこう。

雑草たちも観察継続したいから、もう一つ簡易水晶ランタン作ろう。

洞窟内の観察室と同規模の箱作ったので、これも観察していこう。


次は整地だね。

せっせせっせ…

む、滝との高低差が出来てきたから、水しぶきがかかるね。

あれ?ちょっと水量増えてない?

あ、出口を少しづつ水が削ったのか。

これ以上削られても困るので、吐出口の周りだけ補強しました。


せっせせっせ…

ふう、そろそろ飽き…いや、レンガ片づけるために降りよう。

で、レンガ片づけ。

こないだ、ソード君に算盤玉動かすの見せて思ったの。

以前の感覚で諦めてたけど、今の私ならレンガ数個なら魔法で動かせるんじゃない?


やった!挑戦したらでけた。

5個づつなら動かせる。

魔力食うけど。

うん、今度からはレンガ積み用の魔力、残しておこう。


今日は日差しが気持ちいいから、休憩はお外で日向ぼっこしよう。

鍛冶の時に作った屋外用土テーブルそのままにしてあるから、ここでお茶します。

ほけー。

あ、呆けてたら昼しょ…ソード君来た。


一緒に昼食摂ります。

あり?なんだかちょっと深刻そうな顔だね。どうしたの?


「実はお嬢に相談があって。その、祝福受けるの休めないかと思って」

「どうして?」

「素振りしてると以前と違いすぎて、なんか力任せになってる気がする」

「あー、そうか。短期間に力が上がりすぎちゃったか。考えて無かったよ。ごめんね」

「いや、俺の為にしてくれてるのは分かってるから、謝られることじゃないんだが」

「次の祝福までは15匹、その次だと64匹だね。私と森に入ったりすると、次は割とすぐだけど、どうする?」

「そうか…。感覚を慣らしたいから、次を受けたらぷすりは止めていいか?」


あはは、私がいつもぷするって言ってるからか、おんなじこと言ってる。

でも、私と森に入るのを止めるか聞いたつもりだったんだけど、同行はしてくれるんだね。

「うん、わかった。じゃあ、今日は先に森に行って戦い方覚えた後で残りをぷすれば、明日からはしばらく上がらないね」

「ああ、それで頼む」

「私も今日はお願いがあるの」

「なんでも言ってくれ」

「実は東の森に行きたいの。両親が亡くなった場所だから敬遠しちゃってて。今も一人じゃ無理っぽいから…」

「ああ、それなら是非同行させてくれ。出来たらご両親にお礼言いたい」

「は?お礼?」

「俺、お嬢と友達になれて、色々と成長できてると思う。だからお嬢を育ててくれた人たちにお礼言いたい。友達として紹介してくれよ」

「…うん、そっか、そうだよね。新しい友達だから紹介しなくちゃね」


ソード君、お供え持って行きたいっていうけど、多分、お墓、無いよ。

私は、適当な場所で父ちゃんのお酒撒いて、母ちゃんにはお花を撒こう。


二人して、あまり会話も無く、東の森に入った。

一応、薬草のチェックが本来の目的だから、両親に叱られないように、しっかり確認しました。


スライムが3匹出たので、ソード君に剣で戦ってもらった。

少し切りにくそうだったけど、何とか核切れてた。

あれは剣の切れ味が足りてないだけだね。

レベル5でこれか。やっぱり魔力制御、有効だね。

これなら槍は要らないかな。


鉱山側に近い場所まで来て、突然、涙が溢れだした。

森のやや開けた小さな空き地みたいなところに、顔位の大きさの石が二つ寄り添って並んでる。

石の前には片側にお酒の小瓶がたくさん、もう一つの石の前には花が並べられてる。

兵士さんたち、わざわざお墓、作ってくれたんだね。

しかも、花のしおれ方が違うから、何度も来てくれてるみたい。


「父ちゃん、母ちゃん、今頃来てごめん。親不孝な娘でごめんなさい」

お墓の前で、四つん這いになって何度も謝った。

「…お嬢の両親なんだろ。そんな姿を見せたいのか」


ソード君、厳しいね。

でも、確かにそうだ。

こんな姿見せたら、心配して戻ってきそうだよ。

涙は止まらないけど、友達紹介しなくちゃ。


「父ちゃん、母ちゃん、私、新しい友達出来たんだよ。紹介するね。ソード君って呼んでるんだ。私の事、いっぱい助けてくれるんだよ」

「…今、紹介に与ったソードです。あなた方のお嬢さんには私の方がいっぱい世話になってます。私はあなた方のおかげで師と仰げるお嬢さんと出会うことが出来ました。心より感謝申し上げます」

「あー、師って言った。私の方が年下なのに」

「年齢関係ねえよ。俺の心の内をご両親に報告したまでだ。ご両親に嘘はだめだろ」

「嘘ついてないもん。私はそんなもんになった覚えなくて、友達だもん」

「ああ、友達だ。だからお嬢には呼んでないんだからいいだろう」

「むー」

「むくれるな。ほれ、娘から供えるもんがあるんだろ」

「そうだった。父ちゃんにはお酒。母ちゃんには花ね。みんなから貰ってるけど、私のも貰って」


ソード君が私の横に来て、膝を着く。


「ちゃんとお祈りしような」

「うん」


しばらく無言でお祈りしました。

土を固めて、お供え用の台と花瓶つくって、お供え物を供え直しました。


「なあ、ご両親の家も作らねえ?」

「おお!、そうだね」


ソード君の提案で、お墓が入るちっちゃなおうちに入ってもらいました。

これからはちょくちょく来るからね。

いっぱい泣いたからかな。妙にすっきりしてる。


戻りはスライム1匹。

これもソード君にお任せしたよ。

じゃあ、戻ったら11匹ぷすろうね。

ありがとうソード君。

おかげで今度は、一人でも来れそうだよ。

ぷすってから槍卒業を言い渡したら、めっちゃ喜んでた。

そっか、槍より剣の方が好きなんだね。


ソード君と別れた私は、ちょこっとだけ採ってきた薬草でポーション作ったら、再度整地です。

せっせせっせ…

作ったレンガも魔法で滑り台へ。

段々ずぼらになってる気がする。


小屋に戻ったら夕食作り。

今日はピザもどきにしよう。

酵母無いから、生地が膨らまないんだよ。

洋風お好み焼きかな。

でも、おいしいよー。


夕食食べてのんびりしたら就寝です。

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