Day5
明け方前、寒さで目が覚めた。
暖炉は完全に灰になってる。
慌てて薪投入&着火です。
箱型暖炉じゃないから、吸気調整なんて出来ないし、薪も少ししか入れられないから部屋全体を暖めておくことも出来ない。
やはり暖炉が小さいな。
この暖炉で冬ごもりは無理っぽい。
冬までに暖炉拡張しなきゃね。
昨日の残りのパンにチーズを載せて炙り、簡単に朝食を済ませる。
もよおしてきたので、小屋の裏にあるトイレで用を足す。
トイレも改善案件だな。
だって小屋の裏にくっついた小さな掘立小屋みたいで、中に入ると地面に穴が開いてるだけ。
真冬にあんな寒いトイレでお尻出すとか無理、死ねる。
お出かけの準備して、いざ村へ。
村の門番してる兵士さんに挨拶したら、小屋に泊まったのかと心配された。
大丈夫だよ、今日は小屋生活充実のために頑張るから。
兵士の詰め所に着いたら、何だかみんな慌ただしい。
また何かあったのかと不安な顔してたら、兄ちゃんが来て説明してくれた。
「おはよう。泊っても大丈夫だったみたいだな。今日はちょっと予定変更かも。領都から騎士様が兵を連れて来てくれて、残りのスライム討伐を手伝ってくれるそうだ。今、隊長と打ち合わせしてる」
「そうなんだ。じゃあ私、買い物してから自宅行ってるよ」
あれ?行くって言っちゃった。
「おお、悪いけどそうしてくれ。ああそうだ、昨日も祝福あったぞ」
「やったね。これで大活躍できるじゃん」
「おお、討伐が楽しみだ」
「うん。じゃあまたね」
これでお兄ちゃんの祝福回数は7回目、私と同じレベル7だ。
元々の体格差もあるから、もうお兄ちゃんの方が強いかな。
あ、お兄ちゃんは魔力制御甘いから私の方がまだ強いか。
そんなことを考えながらあちこちで買い物をして、自宅にも物を取に寄った。
しんと静まり返った自宅。両親はもう居ないんだと思い知らされる。
やっぱりきついや。
そそくさと荷物をまとめてると、お兄ちゃんが来た。
「あれ?どうしたの?」
「…討伐メンバーからあぶれた。昨日の討伐数報告したら、休めって言われた」
「あー、さすがに昨日はやりすぎたよね」
「ああ、だから荷物運び出来るぞ。荷車も持ってきたし」
「え、休むんじゃないの?」
「…」
「ああ、試したいんだね」
「おお、せめて力仕事でもしないと実感できねえ」
「そういうことならお願いするよ。ベッドとクローゼットと机と椅子と水がめと着替えと調理器具と食器類」
「…昨日言ってたより増えてね?」
「うん。多い方が実感できるでしょ」
「…おう」
予想外に運搬能力が上がったので、お兄ちゃんをこき使い、荷車に荷物を満載した。
なんだか夜逃げみたいだけど、実際、両親の思いでだらけの家から逃げ出すんだよね。
ちょっぴり涙が出た。
お兄ちゃんは私の涙に気付いたのか、文句も言わずにせっせと働いてくれた。
途中で薪も大量に買ったら、載せきれなかった。
お兄ちゃんが薪屋さんに事情を話したら、山の登り口まで別の荷車で運んでくれることになった。
山への道中、お兄ちゃんは一人で荷物満載の荷車を引き、私は薪屋さんの荷車を後ろから押してた。
登り口に着いたら薪屋さんが休憩がてら荷車を見てくれるそうなので、二人で荷物を担いで小屋に運んだ。
ベッドやクローゼットを一人で担ぐお兄ちゃんを見て、薪屋さんがこぼしてた。
「兵士すげー」
荷物運びの間、スライムは一匹も出なかった。
私たちの乱獲と兵士さんたちの討伐が進んでるんだよね。
お兄ちゃんは不満そうだったけど、少しづつ日常が戻って来てるみたい。
荷物を運び込んだ小屋は、ぎゅうぎゅう詰めになった。
薪は二階に積んだけど、二階もほぼ埋まった。
うん、薪って思った以上に場所取るんだよ。
今日はお兄ちゃんは休みなので、荷車を引きながら帰っていきました。
討伐に行って見つかったら怒られるもんね。
薪屋さんには申し訳なかったので、ポーションを1本プレゼントしました。まだ一般用は品薄なので、喜んで帰って行きました。
午前中に荷物を整理して、午後は南西の森に一人でお出かけ。
昨日、西の森は結構スライムいたから、今日は南西を狩りつくそうと思います。
討伐隊は中央部を討伐するらしいしね。
今日の成果は52匹でした。
結構広範囲に殲滅したので、しばらくは大丈夫かな。
そしてポーション作りました。
夕方、初めてこの暖炉で調理してみたけど、狭すぎて大変だった。
自宅で使ってた鍋でスープ作ったんだけど、灰をまぶしたスープになりました。
うん、明日の日中は暖炉改造してやるぞ。
そのためにもレンガ確保しなきゃ。
今日も洞窟部屋掘ってから裸族少女して、お布団二重にして寝ました。
祝福来た。
忙しくてカウント忘れてた。
私、レベル8です。
今度から忘れないように、売上ボードでも作ろうかな。
あの、引っ張り上げると赤い棒グラフみたいになるやつね。
明日考えよう。
じゃ、おやすみー。
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