好きなカタカナ

 好きなカタカナを考える。好きなカタカナ、なんて訊かれることはないと思うが、これも自分を知る一環である。もしかすれば、その過程で新たな私が…好きなカタカナを考えるだけでは見つからないかもしれないが。


 ひらがなとは違い、カタカナは片仮名の名前通り、省略されてできているために形がどうしても単調になり、ひとつひとつの文字に特徴がない。


 ツ、シ、ン、ソのようなただでさえゲシュタルト崩壊しやすい文字は嫌い。


 そもそも線が少ないと字の汚さが目立つ。漢字であれば大体のバランスがおかしくなければ、一定汚さは文字の複雑さに掻き消される。カタカナなんて文字は、字の汚さ主張のオンパレード。つまり3、4画の字がいい。


「ホ」はなんとなく、カタカナのくせして漢字ぶるから嫌い。私が紙に書ける「ホ」は「示」にそっくりになる。もともと漢字とはいえ、カタカナにはカタカナらしく振舞っていただきたい。そういう意味では「エ」も嫌い。紛らわしい。「え」も「之」に似るし、「e」も「a」、「ℓ」に似る。私が嫌いな文字だけは、はっきりした。「え」「エ」だ。

 私の好きなカタカナは、「モ」だろうか。分からない。深く考えていないから他にこれだ、というものがあるかもしれないが、今深夜にこれを書いている私にとって、「モ」が一番好きだ。

 深夜のひとりごとである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る