初めて泣いた映画
初めて泣いた映画は、それを観たときの記憶がまだわずかに私のなかにある。
ファインディング・ニモである。当時、何度もテレビCMが流れていて、その楽しそうな雰囲気にこれを見に行きたいのだ、と親に懇願したのを覚えている。
最初は、楽しかった。エイの先生や楽しそうな仲間が出てきて、海はこんな感じなのか、と子供ながらに思った。たくさんの綺麗な魚が出てきて、可愛いとさえ考えていた。
泣いたのは、中盤だ。
攫われたあたりから、少し怖いと感じるような演出もちょこちょこあって、ホオジロザメがスクリーンいっぱいにドンと現れたときに爆発した。当時、私は2歳か3歳。怖い、と思った。もちろん映画館で食べられるわけもないのだが、私もこのサメに食べられる、と思った。
映画館で大泣きしてしまい、親にも同じように観に来ていた他のお客さんにも迷惑をかけた。それから先、ニモとお父さんの再会のシーンなど、後半のシーンを観た記憶がないところを鑑みると、私の親は私を連れて外に出たのだろう。
泣いた映画というと、もちろん普通は「感動して」という言葉が省略されているようにも思うが、私は事実、「初めて泣いた映画」はファインディング・ニモなのだ。嘘偽りはない。
ちなみに、感動して泣いた映画は特にない。
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