好きな国

 好きな国を考える。


 そもそも、二百弱の国がこの世に存在する中で、私が行ったことがあるのは数か国に過ぎない。そんな状態で、好きな国、と言われてもおかしな話ではある。住んでいたことがある国は、日本と香港のみだ。中国、シンガポール、イギリス、アメリカには行ったことがある。私の海外経験は、たったそれだけ。多い方か少ない方かも、よく知らない。最近は海外にも簡単に行きやすくなったようで、私の同級生でも高校の卒業旅行で海外に行っていた人などはたまに耳にすることもあるので、それを鑑みるに私は圧倒的に少ない方なのだ、と思う。


 アメリカに行ったのは私が幼い頃なので、記憶にない。シンガポールには、三日間ほどの旅行だ。こちらは記憶にある。しかし、特に住んでいたわけでもないからどんなところかもよく分からない。ピンクイルカを見て、マーライオンに行った。まだ小さかった私にはホテルの食事が口に合わず、すべて吐いた。思い出はそれくらい。イギリスには語学研修で一週間ほど滞在した。短いながらホームステイもしていた。こちらはまだ記憶も新しく、思い出もたくさんある。中国には、香港も含めば一年間滞在していたし、香港に住んでいた際に何度も行っていた。一年間もあったのだからそれなりの回数はあったから、思い出も多い。けれど、


 フランスには、一度行きたいと思っている。数年前からの社会情勢によって行きにくくなっているようだが、ぜひともオルセー美術館、ルーブル美術館には行ってぜひとも本物の名画を鑑賞したい。


 しかし、一番好きな国は日本である。理由は、私が住み慣れた国であるから、である。それ以上の理由はない。しかし、少しでも日本人として生まれてきたことに誇りを持ち、自信を持って母国の好きなところを言えるような人間になりたい。

 過去、私はイギリスに行った際に日本のことについて訊かれた。その時、私は京都、奈良などの「和」らしい日本文化の部分や私の地元のいいところを紹介はできたが、それ以上のことはうまく言葉にできなかった。

 他の国を好きになる前に、少なからず母国について理解し、好きになったうえで他の国に目を向ける必要がある。

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